ミラTR-XXとアルトワークス 50万円で買える!! 軽パワーウォーズの双璧を狙え

歴史解説1/ミラTR-XX

1985年8月に登場した2代目ミラターボTR-XX。スポイラー一体式の大型樹脂製フロントパンパーやサイドスカート、エアロタイプのアルミホイールに赤黒ツートンのボディカラーがカッコよかった。搭載されたエンジンは52ps/7.1kgmを発生する550㏄、直3SOHCインタークーラー付きターボ
1985年8月に登場した2代目ミラターボTR-XX。スポイラー一体式の大型樹脂製フロントパンパーやサイドスカート、エアロタイプのアルミホイールに赤黒ツートンのボディカラーがカッコよかった。搭載されたエンジンは52ps/7.1kgmを発生する550㏄、直3SOHCインタークーラー付きターボ

 ミラTR-XXは1985年8月に発売した2代目ミラに設定された。1987年8月にAT車が追加され、同年10月に電子燃料噴射装置のEFIを採用したターボ車を追加し、1988年10月にEFIターボ車の最高出力が64psへとアップ。

 まさに昭和の終わりに軽ボーイズレーサーバトルは激化したのだ。1990年の軽自動車の規格変更に合わせてミラはフルモデルチェンジを行い、3代目が登場。ホットモデルのTR-XXも進化した。

 ターボエンジンを搭載したTR-XXは5ナンバー車と4ナンバー車と分かれ、エンジンの仕様も異なっていた。1991年2月、TR-XXのATが4速化されると同時に名称はTR-XXアバンツァートへ変更された。

3代目ミラTR-XXアバンツァート。64ps/9.4kgmの660㏄、直3SOHC、インタークーラー付きターボを搭載していた
3代目ミラTR-XXアバンツァート。64ps/9.4kgmの660㏄、直3SOHC、インタークーラー付きターボを搭載していた
1991年2月に追加されたミラX4-RはクロスミッションとIHI製RHB3Bボールベアリング式ターボチャージャーを搭載し、内外装を簡素化したモータースポーツのベース車両。1991年の全日本ラリーではCP21SアルトワークスRS/Rと大激闘を演じたが9戦5勝、さらに1992年も8戦5勝と圧勝
1991年2月に追加されたミラX4-RはクロスミッションとIHI製RHB3Bボールベアリング式ターボチャージャーを搭載し、内外装を簡素化したモータースポーツのベース車両。1991年の全日本ラリーではCP21SアルトワークスRS/Rと大激闘を演じたが9戦5勝、さらに1992年も8戦5勝と圧勝

 1994年9月にフルモデルチェンジを行いミラは4代目にスイッチ。この世代でもホットモデルのTR-XXは健在で、3代目に設定されていたラリー仕様車の4WDモデルTR-XXアバンツァートR4を設定していた。

 しかし、この世代を最後にTR-XXは廃止となり1998年10月に登場した5代目には設定されなかった。

4代目ミラTR-XXは、アバンツァート、LSDやリアディスクブレーキなど専用足回りを装着したTR-XXアバンツァートR、フルタイム4WDとなるTR-XXアバンツァートR4の3種類を用意。アバンツァートR、R4には64ps/10.2kgmの4気筒DOHC16バルブターボを搭載
4代目ミラTR-XXは、アバンツァート、LSDやリアディスクブレーキなど専用足回りを装着したTR-XXアバンツァートR、フルタイム4WDとなるTR-XXアバンツァートR4の3種類を用意。アバンツァートR、R4には64ps/10.2kgmの4気筒DOHC16バルブターボを搭載

歴史解説2/アルトワークス

1987年2月にデビューした初代アルトワークスは、64馬力自主規制が生まれるきっかけになったクルマだ。F5A型550ccの直3、インタークーラー付きDOHC12Vターボは64ps/7.3kgmを発生、軽く1万回転まで回るエンジンだった
1987年2月にデビューした初代アルトワークスは、64馬力自主規制が生まれるきっかけになったクルマだ。F5A型550ccの直3、インタークーラー付きDOHC12Vターボは64ps/7.3kgmを発生、軽く1万回転まで回るエンジンだった

 一方、現行モデルでも設定されているスズキアルトワークス。初代モデルは1987年2月に登場。搭載された直3DOHC4バルブターボエンジンはパワフルで、エッジの利いた鋭い走りを実現。

 これにより、現在も継続されている軽自動車の最高出力64ps自主規制が設けられる発端となった。駆動方式も2WDに加えて4WDも設定するなどまさに軽ボーイズレーサーの主役となったのだ。

 1988年9月、フルモデルチェンジを行い、このモデルからアルトワークスはアルトの冠名はあるものの、独立したモデルとなった。

 そのため、アルトワークスの特徴となる丸型ヘッドライトとエアロパーツを装着した戦闘力の高い外観デザインを採用した。

 1990年3月のマイナーチェンジで、搭載するエンジンの排気量を550㏄から660ccに拡大。さらに前後バンパーを大型化などで新規格に適合された。ワークスも乗用5ナンバーモデルへと進化し、4輪ABSがオプション設定された。

 1991年9月のマイナーチェンジで、アルトワークスの一部グレードのリアブレーキがディスクに変更された。

丸目2灯ヘッドライトの2代目アルトワークス。550cc時代末期にデビューし、1990年3月にはボディはそのまま、前後バンパーの拡大と660ccエンジンへの換装で新規格に対応、4ナンバーだったワークスも5ナンバーへ移行した
丸目2灯ヘッドライトの2代目アルトワークス。550cc時代末期にデビューし、1990年3月にはボディはそのまま、前後バンパーの拡大と660ccエンジンへの換装で新規格に対応、4ナンバーだったワークスも5ナンバーへ移行した
3代目アルトワークスのデザインは2代目からのキープコンセプト。新開発のオールアルミ製DOHC12バルブターボを搭載する「RS/Z」系とスポーティな雰囲気を持ちながらも扱いやすいSOHCターボを搭載する「ie/s」系に大きく分けられた(SOHCターボは2代目途中から追加)
3代目アルトワークスのデザインは2代目からのキープコンセプト。新開発のオールアルミ製DOHC12バルブターボを搭載する「RS/Z」系とスポーティな雰囲気を持ちながらも扱いやすいSOHCターボを搭載する「ie/s」系に大きく分けられた(SOHCターボは2代目途中から追加)

 1994年11月にフルモデルチェンジを行い、3代目となったアルトにもワークスを設定。最上級モデルのRS/Zにはオールアルミ製の直3DOHCターボエンジンを搭載した。

 さらに、1995年5月には鍛造ピストンや専用ターボを搭載した競技車両のワークスRを追加した。

 1997年4月にマイナーチェンジを行い、アルトワークスは内外装の変更はバックドアの変更に留められる一方で、アルミホイールが14インチと大径か、タイヤはアドバンネオバを装着するなど戦闘力をアップさせた。

 1998年10月に軽自動車の企画改正と同時にフルモデルチェンジを行い5代目へと進化。同じタイミングで発売されたミラにはTR-XXシリーズが設定されなかったが、アルトワークスは健在。

 エンジンに可変バルブ機構やドライブ・バイ・ワイヤを採用するなど、さらに戦闘力をアップさせている。

 しかし、2000年12月に行われたマイナーチェンジの際に、アルトワークスが廃止となり幕を閉じた。

 そして15年後の2015年12月にアルトワークスは復活し、当時の軽ボーイズレーサーに乗った当時の若者と現在の若者から熱い視線を集めたのである。

1998年10月、4代目アルトにも設定されたワークス。先代同様に廉価グレードのie、上級モデルのRS/Zの2本立て。可変バルブタイミング機構や電子制御スロットルを採用。競技ベースのワークスRは設定されず、3代目モデルまでとはやや方向性が変わった。なおアルトワークスは2000年12月のマイナーチェンジで消滅
1998年10月、4代目アルトにも設定されたワークス。先代同様に廉価グレードのie、上級モデルのRS/Zの2本立て。可変バルブタイミング機構や電子制御スロットルを採用。競技ベースのワークスRは設定されず、3代目モデルまでとはやや方向性が変わった。なおアルトワークスは2000年12月のマイナーチェンジで消滅

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