SUVがブームになっているということを差し引いても、トヨタのヘビー級SUVのランドクルーザープラドの人気が凄い。
現行プラドは2009年デビューだから11年が経過するが、2020年に入っても堅調な販売をマークしていることからもその人気ぶりが伺える。
そして人気が高く需要があることから、10年乗っても値段が落ちない、つまり買取価格、下取り価格が高いクルマとして認知されている。
デビューから11年経過しているので、中古車のタマ数は豊富にあると思われるランドクルーザープラドの中古車の最新動向を見ていく。ぜひ購入の際の参考にしてもらいたい。
文:萩原文博/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】デビューしてから11年が経過!! ランクルプラドは2度のビッグマイチェンでフロントマスクが激変!!
10年落ちモデルの残価率は驚異の30%オーバー!!
クルマはユーザーの“人気”が影響する商品だ。新車の場合、同じカテゴリーで人気薄の車種ほど値引き額が大きくなる傾向があるし、そもそもモデルの存続すら危ぶまれる。
中古車になると人気の影響度はさらに高まり、同じ年式、走行距離であっても人気の有無によって販売価格は大きく差が付くのだ。
車種そのもの人気に留まらず、グレードやボディカラー、装備など中古車において人気という要素は細部にまでわたるのだ。
1980年代にクロカン4WDブームを巻き起こした三菱パジェロが日本国内における販売終了から間もなく1年が経つ。当時はクロカン4WDの代名詞となったパジェロだが、寂しい幕切れとなった。
いっぽう、パジェロと双璧の人気を誇ったのがトヨタランドクルーザープラドだ。
ランドクルーザーの弟分というポジションから脱して、プラドという強いブランド力を築き、2009年に登場したランドクルーザープラドは、2020年8月に一部改良を行い、搭載するディーゼルターボエンジンの、パワーアップを行ったばかりだ。
すでに販売開始から11年が経過したロングセラーモデルだが、クルマの人気のバロメーターとなる買取価格を調べてみると、2010年式の4.0TZ-G、新車当時452.3万円のグレードだが、現在の下取り価格は約163万円。実に残価率は約36%を誇る。
また、2015年式の2.8DT TZ-G、新車当時475.3万円の下取り価格は約304万円と約63.9%という高い残価率を誇っている。
もちろん、走行距離やボディカラー、装備、コンディションなどによって変動するが、これだけ高い残価率を誇るクルマはほとんどない。
ちなみに残価率は中古車の販売価格ではないので、あしからず。
そこで、今回は登場から10年が経過しても高い人気を誇る現行型ランドクルーザープラドの中古車事情をチェックする。
クリーンディーゼルは2015年に追加
まずは、ランドクルーザープラドの変遷をおさらいしたい。
2009年9月に150系と呼ばれる現行型ランドクルーザープラドが登場した。エントリーグレードに5人乗りを用意しているが、基本的には7人乗りの3列シートをレイアウトするSUVだ。
搭載されるパワートレインはデビュー当初は2.7L直列4気筒ガソリンエンジン+4速AT、4L V型6気筒ガソリンエンジン+5速ATで全車駆動方式は4WDだ。
2013年9月に1度目のマイナーチェンジを行い、大型のフロントグリルを採用するとともに外観デザインを変更。
インテリアもシート表皮や内装色を変更している。また、サスペンションのチューニングが変更されオンロードでの走行安定性が向上した。
2015年6月一部改良で、4L、V6エンジンに変わって2.8L 直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジン+6速ATを搭載。同時に2.7L直4ガソリンエンジンのATが6速へと多段化された。
2017年9月に2度目のマイナーチェンジを行い、内外装の変更と装備の充実化が行われた。外観は最新モデルと同じである。
そして2020年8月に一部改良が行われて、搭載する2.8Lディーゼルターボエンジンのターボチャージャーがサイズアップされ、最高出力を204psに向上。
さらに運転支援システムのトヨタセーフティセンスがブラッシュアップあされ、衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティの検知対象に夜間の歩行者や昼間の自転車運転者が追加されるなど安全性が向上している。
それでは、現行型ランドクルーザープラドの中古車相場を見てみよう。