エンジンは3.3L、水平対向6気筒エンジン
搭載されているエンジンは最高出力240ps、最大トルク31.5kgmを発生する3.3L、水平対向6気筒。大排気量のNAエンジンらしい全域フラットトルクで極めてスムーズな加速フィールを生み出した。
スバルで水平対向6気筒エンジンを搭載したのは、このアルシオーネSVX、1998年に登場した3代目レガシィに追加されたGT30、ポルシェデザインのエアロパーツを纏ったブリッツェン6。
そして2003年9月に発売された4代目レガシィの3.0R。さらに2004年に発売された3.0RスペックBは6速MT車も設定されていた。
また、2009年に登場した先代アウトバックにも3.6L水平対向6気筒エンジンを搭載した3.6Rというグレードが設定されていたぐらいで、スバルの歴史のなかでも6気筒エンジン搭載車はレアなのだ。
アルシオーネSVXの駆動方式は、スポーティな走りと高い走行安定性を両立するVTD-4WD(不等&可変トルク配分電子制御式4WD)システムを採用。
センターデフは意図的に前輪35、後輪65の不等比率でトルクを配分し、後輪駆動車にも似たスムーズな旋回性能とナチュラルなハンドリングを生み出している。
タイヤのグリップ力のバランスが崩れた場合、走行状態を判断してアクティブに電子制御するLSD機構によって、ほぼ直結4WDまでトルクをバリアブルに配分し、4WDならではのスタビリティを発揮する。
また高速ロングツーリングの走行安定性を高めるために4WSを採用(バージョンL)。この4WSは車速、ハンドル角およびハンドル角速度、さらに後輪舵角および舵角速度をセンシングし、コンピュータで最適制御、中高速域では同位相(最大約1.5度)で後輪操舵を行う。
また後輪へ配分されたパワーと確実に路面に伝えるためにリアデフにビスカスLSDを装着している。
グレード構成は、デビュー当初はスタンダードグレードの3.3バージョンEと本革シート、4WSなど豪華装備を装着した上級グレードの3.3バージョンLの2グレードを用意。
そして1993年11月には、バージョンEをベースとした限定300台のS40が富士重工40周年記念車として発売。
翌1994年7月には第2弾として同じく限定300台で、S40IIが発売された。同年11月にはバージョンEをベースにBBS鍛造アルミホイールや高級オーディオを標準装備した特別仕様車のS3を限定500台で発売。
そして、1995年7月にはデザインを変更したフロントグリルやBBS社製アルミホイールを装着したS4を設定。実質的にこのモデルが最終モデルとして1997年まで販売された。
アルシオーネの中古車流通台数は20台
それでは、最新のアルシオーネSVXの中古車の状況を見ていこう。1997年に生産終了し、すでに約23年が経過しているが、中古車市場には20台が流通している。
直近3ヵ月は15~20台の間を上下する小幅な動きに留まっている。しかし、今後減ることはあっても、増える可能性は限りなく少ないのは間違いない。
中古車の平均走行距離は3ヵ月前の時点が約8.8万kmで、現在はやや延びて約9.6万kmとなっている。
注目の平均価格の推移は、3ヵ月前が約121万円で、2020年9月上旬に約156万円まで一時的に値上がりしたものの、現在は約114万円まで値落ちしている。
平均価格の推移を1年という長いスパンで見てみると、2019年11月当時が約130万円でその後、約125万円付近での横這い傾向が長く続き、最近になって上げ下げの激しい動きをみせるようになっている。これはアルシオーネSVXの中古車相場は底値に達していることを示しているのである。
アルシオーネSVXの中古車のグレード分布を見てみると、スタンダードグレードのバージョンEが9台と最も多く、続いてバージョンLの8台。
そして、最終モデルとなったS4が2台、S40IIが1台となっている。価格帯はまさにピンキリといえる状況で、約37万~約788万円。そして価格応談が2台という状況だ。
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