2030年から2035年にかけて、日本のみならず世界では純ガソリン車の新車販売を禁止し、電動化の時代へ舵を切った。
こうしたなかで俄然、さらなる存在感を増しているのがEVの自動車メーカー、テスラモーターズである。
時価総額はトヨタを超え、約24兆円とされるが、数日までには株価が暴落し、1日で152億ドル(約1兆6000億円)が吹っ飛び、さらに2月17日にはエントリーモデルのモデル3の価格を最大156万円も値下げを行うなど、なにかと話題の多いテスラである。
そこで、今回はテスラの中古車にスポットを当て、今いくらで買えるのか、テスラの中古車を買って大丈夫なのか、中古車事情に詳しい伊達軍曹が徹底レポート。
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 テスラモーターズ
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テスラのモデルラインナップは?
EVへの関心が高まっている今、気になるのは、スタイリッシュにして超高性能な「テスラ」の各モデルである。
しかしテスラはスタイリッシュで超高性能であるだけにお値段も高く、モデルS(高級セダンタイプのモデル)のロングレンジが車両本体価格1069万9000円で、モデルX(クロスオーバーSUV)のロングレンジは1169万9000円。
テスラのエントリーモデルであるモデル3はなんと2021年2月17日、最大156万円の値下げされた。
今回値下げになったのは、WLTP航続距離448kmのスタンドレンジモデルと、同580kmのロングレンジモデルの2モデル。それぞれ、511万円→429万円、655万2200円→499万円という価格設定だ。
航続距離567km(WLTP)、最高速度261km/h、0~100km/h加速が3.3秒というパフォーマンスモデルは717万3000円のまま据え置きだ。クリーンエネルギー関連の40万円の補助金が適用されると、300万円台でモデル3が手に入ることになる。
テスラの中古車購入に際しての不安点

必然的に注目したくなるのが「テスラの中古車」なわけだが、それを検討するにあたっても、いくつかの不安というか疑問はある。すなわち、
1:そもそもテスラの中古車って普通に売っているのか?
2:中古車の保証制度はどうなってるんだ?
3:中古テスラのバッテリーは大丈夫なのか?
4:もしもバッテリーを交換するとなると、大金がかかってしまうのでは?
という問題である。
これらは実際のところどうなのだろうか? つまりテスラの中古車というのは買っても大丈夫なものなのか、それとも「やめといたほうがいい」なのか?
さまざまな角度から調査してみることにしよう。
まずは疑問1の「そもそもテスラの中古車って普通に売っているのか?」ということについて。
これは、「さほど数が多いわけではないが、ごく普通に売られています」というのが答えになる。
2021年2月中旬現在、「テスラジャパンの認定中古車」と「一般販売店のテスラ中古車」の流通状況は、おおむね下記のとおりとなっている。
【認定中古車】
●モデルS/流通台数:5台|価格帯:約500万~約626万円|走行距離:1.4万~6.5万km
●モデルX/流通台数:1台|価格:約1100万円|走行距離:0.8万km
●モデル3/流通台数:3台|価格帯:約566万~約794万円|走行距離:0.4万~1.6万km
【一般中古車】
●ロードスター/流通台数:1台|価格:約600万円|走行距離:0.8万km
●モデルS/流通台数:40台|価格帯:約400万~約1200万円|走行距離:0.2万~7.6万km
●モデルX/流通台数:20台|価格帯:約760万~970円|走行距離:2.0万~7.0万km
●モデル3/流通台数:16台|価格帯:約500万~約750万円|走行距離:0.3万~3.0万km
要するに上記は「認定中古車はまだかなり少なめだが、一般販売店の中古車であればそこそこレベルで流通している」ということだ。
また個別の数字は記していないが走行距離も、6万kmや7万km走っているのはレアケースで、多くの中古車は走行1万km前後か、せいぜい3万km台である。


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