一般的な中古車店で購入した場合は?
以上はテスラ ジャパンの認定中古車についての保証だが、一般販売店でテスラの中古車を買った場合の保証はどうなるのか?
これについても、基本的にはテスラジャパンの保証が(認定中古車保証以外は)そのまま継承される。そのほかに、販売店独自のちょっとした保証が付帯しているケースもあるかもしれない。
それなりに充実した保証があることがわかったからには、次の疑問へと進もう。……ここがいちばん肝心なのだが、「中古テスラのバッテリーは大丈夫なのか?」という問題である。
これについての調査結果は「大丈夫!」ということになった。中古テスラのバッテリーが大丈夫であると判断した理由は以下のとおりである。
●理由1:メーカー保証が充実している。
前述したとおり、テスラ車のバッテリーは8年または(車種により)16万~24万kmまで「最小でも70%のバッテリー容量を保証する」となっている。
ということは8年落ちまでの中古テスラであれば、いや2年間ぐらい乗ることを考えれば「6年落ちまで」であれば、仮にバッテリーに大問題が生じても保証でなんとかなる、ということなのだ。
もちろんバッテリーの保証には年数だけでなく「走行距離のしばり」もあるわけだが、今現在、走行1万kmや3万km、最長でも6万kmか7万kmほどの中古テスラを、今後数年間で10万kmや20万kmも走らせるという人はほとんどいないはず。
仕事などでかなりの距離を走る人でも、「6万kmで買った中古テスラが、その後の2年間で12万kmを超えました」ぐらいの使い方がせいぜいだろう。それゆえ「まずはメーカー保証でどうにでもなる」と言えるのだ。
テスラのバッテリーは大丈夫?
それに加えて、「テスラのバッテリーはそもそも大幅には劣化しない」という事実がある。
さまざまな通信社が発信しているニュースや研究者が発表したデータによれば、テスラのバッテリーは5万kmや6万kmが経過してもせいぜい5%ほどしか劣化せず、それどころか20万kmほどを走行しても、バッテリー容量が90%を割り込むことはほとんどないのだ。
初期のEV用バッテリーは「温度管理」に問題があって、確かに比較的早期に劣化してしまう傾向が見られた。しかし昨今は、そこに関連する技術は大幅に進歩している。
さらにテスラの場合は、標準レンジのモデルでもロングレンジのモデルでも、実は同一サイズの巨大バッテリーが搭載されている。同じサイズのバッテリーを、あくまで制御によって「使う範囲」を変えているのだ。
これは要するに「どデカいバッテリーのごく一部しか、実際には使われていない」ということなので、そもそも10万kmや20万km程度では大幅な劣化など生じようがないのが、テスラとパナソニックが開発したバッテリーなのである。
となれば、疑問その4「もしもバッテリーを交換するとなると大金がかかってしまうのでは?」に対しての答えは、もはや出たも同然である。
答えは「普通の乗り方をしている限り、そもそもバッテリーを交換するような事態にはならない。そのため、大金がかかることもない」である。
将来的に走行30万km、40万kmの中古テスラが普通に流通するようになったならば話は別だが、今どきのクルマが(特に高級EVが)30万kmも40万kmも乗られるケースはほとんどないはず。
それゆえ中古テスラの、少なくともバッテリーに関しては、交換費用うんぬんの心配をする必要は「ゼロ」なのだ。
400Vの走行用バッテリーではなく「12Vの補機類用バッテリー(鉛電池)」は、一般的な車用のものと同じタイプが使われているため、これについてはテスラといえども普通に2年から4年ほどで交換が必要になる。ただしその費用は、せいぜい2万~4万円といったところである。
いかがだっただろうか? 少なくともテスラの中古車はそんなに心配することはなさそうである。
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