■ちゃんとしている中古ビートの価格帯は?
で、結論として「ちゃんとしている中古ビート」の車両価格は――中古車のコンディションというのは価格や走行距離などの「数字」だけで判断できるものではないため、あくまで目安だが――ズバリ「100万円以上」といったところだ。
車両100万円以上のゾーンの中で整備履歴がなるべく良好な個体を探し、そのうえで納車前整備もビシッと行う。そして「走行距離の長短は気にせず、あくまで“質と履歴重視”で探す」というのが、中古ビートを買ううえでの基本的な必勝法だ。
もちろんこれは「基本的な必勝法」でしかないため、腕と知識に自信がある人が格安な個体を購入し、自分でパーツを集めながらコツコツ直していく――というやり方を否定するものではない。コツコツ系D.I.Y.がお好きな方は、どんなモノであっても「気に入ったやつ」を買えばそれでいい。
だが、そういった作業(部品集めや交換作業など)を自分でする気はないのだとしたら、「ある程度のお金を出して“いいモノ”を買い、それにさらに整備を施す」という以外の必勝法はない。
ホンダ ビートに限らずこういった年代のクルマでは「自分のサイフの都合にクルマを合わせる」のではなく、「クルマの都合に、自分のサイフを合わせていく」しかないのである。
またこういった記事を書く際にはほぼ必ず「で、そのクルマのウイークポイントは?」的なことを尋ねられるが、「そんなものはない」というのが答えである。
いや、もっと正確に言うなら「このぐらいの年式になると、“どこ”というよりも“ほぼすべての部位”がウイークポイントですよ!」ということにしかならないのだ。
まぁそれでもわかりやすいポイントをあえて挙げるとしたら、ソフトトップであろうか。これは使っているうちにほぼ必ずダメになる部分であり、その部品代は約6万円。ただし部品代のほかに細かな調整作業も必要となるため、工賃込みの価格は10万円を普通に超えてくる。
ただしビートというのは最初に「いい個体」を選び、それにケチらずビシッとした納車前整備を施してやれば、その後はそう簡単に壊れるものでもなく、部品代も決して高額ではない。またホンダがビート用の純正部品(の一部)を再生産しているという事実もある。
それゆえ、いちばん最初にある程度のお金――といってもせいぜい150万から200万円ぐらい――を出すつもりがあるならば、そして「小さくて小気味のよいクルマ」が本当にお好きであるならば、ホンダ ビートという不世出の傑作スポーツの中古車は、間違いなく「買い」である。
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