最近、対向車のヘッドライトがHiのままになっていて、眩しいと感じたことはありませんか? またヘッドライトの光量が増えたのか、LED製のヘッドライトやフォグライトが増えたせいなのか、とにかく対向車のライトが眩しいことが多くなった。
なぜヘッドライトが眩しいと感じる原因はなぜなのだろうか? そして、夜間のヘッドライトの眩しさを防ぐために夜間用のサングラスとバイザーがあるというので、紹介していこう。
文/高根英幸
写真/高根英幸 カールツァイスビジョンジャパン
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なぜ最近、対向車のヘッドライトが眩しいと感じることが多くなったのか?
参考:警察庁HP「ハイビームの上手な活用で夜間の歩行者事故防止」
最近、夕方以降になると対向車のヘッドライトが眩しいと感じるドライバーが増えている印象だ。SNSやネットニュースのコメント欄でもよく見かける意見であるし、筆者自身も実感している。
ヘッドライトの光によって眩しい思いをするのは、かなりのストレスだ。視界を奪われることによる危険を感じるとともに、眼の奥に感じる刺激で頭がクラクラするような感覚に陥ることもある。悪気はないのだろうが、気持ちに余裕がない時には、車内で愚痴ってしまいたくなる。
この「ヘッドライトの光が眩しい」状態、その原因は大きく3種類に分けることができる。
1つは対向車のヘッドライトそのものが原因であることだ。これは最近のクルマのヘッドライトの特性によるものと、道路環境が原因となっているものが考えられる。
クッキリと光軸が出ているヘッドライトの配光特性にも原因があるし、LEDやHIDの鋭い光はハロゲンランプとレンズカットされたランプによる光と比べて、非常に高いエネルギーがあり、直撃されたら眼への刺激が強いのだ。
対向車や後続車のドライバーがハイビームにしたままであることに気付かず、走行していることで周囲のドライバーの眼を幻惑しているケースもある。これも道交法違反ではあるが、パトカーは遭遇しても注意しないから、なかなか直らない。
「ハイビームが基本」とアナウンスされたことを忠実に守っているとも思えない。おそらくはあたりはすっかり暗くなっている状態でも無灯火で走っているドライバーと同様、運転に無頓着で鈍感なドライバーの仕業である。
さらには道路環境によってロービームでも車体が後斜することで対向車のドライバーにヘッドライトの光が直撃するような状態になることも珍しくない。これは対向車の有無によって配光を自動的に調整してくれるAHL(アダプティブ・ヘッドライト)を採用していてもお手上げ状態で、現時点では防ぎようがない。
AHLの熟成が進み、ロービームの配光では逆に対向車のドライバーを幻惑してしまう状態でも配光を改善してくれるようなライトシステムに成長してくれることを期待しよう。道路環境側においては交差点などで後斜状態で停止するような交差点を減らしてくれるよう、道路行政に期待したいところだが、これは実現が難しいだろう。
2つめは夜になると周囲の暗さから、人間の目は瞳孔が大きくなって光を取り入れやすくなる、ということが原因だ。瞳孔の大きさによって入る光を調整して、視界を確保しているのだから、夜間に突然強い光が飛び込んできたら、眩しさを感じるのは当然のことだ。
3つめは加齢によって眩しさを感じるようになる、ということだ。眼球のレンズにあたる水晶体が紫外線の影響などにより黄色くなってきたり、白く濁ってきたりする。これによって眩しさを感じるようになることも、原因の一つのようだ。
こうして原因は異なるが、対策としてできることは目に入る光を制限するしかない。しかし夜間の運転だけに、視界を確保しながら光を制限するのは、相反する要求とも言える。だから多くのドライバーは眩しさを訴えながらも我慢して運転しているのが実情なのだ。
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