GT-Rと名乗れなかったスカイラインの現在地 数奇な運命を送ったのか!?

GT-Rじゃないケンメリは?

1972年発売のケンメリ2000GT-Xには先代譲りのL20型エンジンを搭載。GT-Rのベースである2ドアハードトップを中心に高騰している
1972年発売のケンメリ2000GT-Xには先代譲りのL20型エンジンを搭載。GT-Rのベースである2ドアハードトップを中心に高騰している

 ならば次の世代、「ケンメリ」ではどうだろうか?

 ケンメリこと4代目C110型スカイラインのスポーツモデルであるKPGC110型GT-Rは、2ドアハードトップ2000GTをベースに、先代同様のS20型エンジンを搭載し、同時に専用ラジエターグリルや前後オーバーフェンダーなどを装備したスポーツクーペ。

 1973年1月から4月までの3カ月間だけ販売されたモデルゆえ希少で、現在の中古車相場は、これまた箱スカGT-R同様の「3000万~4000万円ぐらい」という状況になっている。

 そしてこの世代の「GT-Rと名乗れなかったスカイライン」は、まさにケンメリGT-Rのベースとなった「2ドアハードトップ2000GT」であろう。こちらのエンジンは最高出力120psのL20型直6、SOHCで、トランスミッションは5MTだ。

 で、その現在の中古車相場は……2ドアハードトップではなく4ドア版(通称ヨンメリ)も含め、やはり「1000万~2000万円ぐらい」といったところになっている。

 レストアされたハードトップ2000GTが2000万円近い値段になるのは話としてわかるが、排ガス規制が一番厳しかった時期=一番走らなかった時期である1976年式の地味なGT-XEもなぜか2000万円近いプライスとなっているのは、今ひとつ納得しづらい現象である。

GT-Rを名乗れなかったR30型スカイライン

R30型の「GT-Rじゃないスカイライン」といえばスカイライン2000ターボインタークーラーRS-X(通称ターボC)。1983年8月に販売を開始した後期型はグリルレスデザインが特徴的で、鉄仮面とも呼ばれた
R30型の「GT-Rじゃないスカイライン」といえばスカイライン2000ターボインタークーラーRS-X(通称ターボC)。1983年8月に販売を開始した後期型はグリルレスデザインが特徴的で、鉄仮面とも呼ばれた

R30型スカイラインの中古車情報はこちら!

 そしてお次の「ジャパン」……は割愛して、1981年デビューのR30型スカイラインへと進もう。

 この世代のスポーツグレードは、まさに「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」である。

 1981年10月に登場した2000RSは、最高出力150psのFJ20E型直4、DOHCエンジンを搭載して「GT-Rの再来か?」と期待された。

 そして1983年2月登場の2000ターボRSは、ターボチャージャーを追加したFJ20ET型直4エンジンにより最高出力190psをマーク。「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが採用された。

 しかし両モデルとも「だが6気筒ではない」ということで、「GT-R」を名乗ることが許されなかった存在だ。

 インタークーラー付きのFJ20ETで205psを発生した2000ターボ インタークーラーRS/RS-X(通称RS-XターボC/1984年)を含め、「R」を名乗ることができなかったのはつくづく無念であったと思う。

 そんなR30世代の各スポーツグレードの相場は現在、おおむね下記のとおりだ。

●2000RS|130万~490万円
●2000ターボRS-X|150万~300万円
●ターボC|220万~350万円

 この価格で売られている状態から、メンテナンスや内装のリペアを加えて「乗れる状態」にするには、さらに予算がかかるはず。

 だが少なくともR34型GT-Rのような「天文学的な価格」にはなっていないのが、この世代の現在の相場である。

次ページは : まさにGTS-RこそがGT-Rを名乗れなかったスカイライン

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