1989年に登場したR32型から始まる第2世代のスカイラインGT-R。その完成形と言えるのが1999年~2002年まで販売されたR34型だ。
スカイラインGT-R伝統の“直列6気筒エンジン”を搭載した最後のモデルと言うことで、生産終了後も高い人気を誇った。
そして、販売終了から時が経つに連れて人気は過熱し、最新の中古車事情は流通台数が約47台。平均価格は約1623万円、中古車の価格帯は約1290万~約3500万円と現行型GT-Rを凌ぐ価格の高さとなっている。
ここではR34型スカイラインGT-Rの歴史を振り返りつつ、今手に入れるとすればいくらぐらい必要で、どのようにすれば良いのかを購入経験者に聞いてみた。
文/萩原文博、写真/日産自動車、萩原文博
【画像ギャラリー】R34型スカイラインGT-R の詳細を画像で紹介(18枚)画像ギャラリーチューニングカーの祭典、東京オートサロンでR34GT-Rは発表された!
R34型スカイラインGT-Rは標準モデルに8カ月遅れの、1999年1月に「人に翼を」というキャッチフレーズで登場した。発表はチューニングカーの祭典、東京オートサロンの会場だった。
R34型スカイラインGT-Rはグランドツーリング性能を向上させるため、ボディが大型化された旧世代のR33型GT-Rに比べて、全長を75mm、ホイールベースを55mm短縮することで、より走りの性能を高めたホイールベース/トレッド比を実現している。
搭載するRB26型2.6L直列6気筒ツインターボエンジンはさらに熟成がすすみ、カムシャフトの変更や新型ツインボールベアリングセラミックターボの採用により、最大トルクのアップと鋭いアクセルレスポンスを実現させた。
トランスミッションにはドイツのゲドラグ社と共同開発した6速MTを搭載。従来の5速MT車の1~4速を1~5速に分割したクロスギヤレシオを採用するとともにシフト捜査力の低減やレバー剛性の向上を図り、2.6Lエンジンが生み出す強大なパワーを存分に味わえるシフトフィールを実現している。
LSDはスタンダード車にはレスポンスとコントロール性に優れるヘリカルLSDを採用。旋回時のトラクションとアクセルに対する応答性を高めた。一方Vスペックには従来と同じアクティブLSDを搭載している。
ブレーキはR33型スカイラインGT-Rでも好評だったイタリアのブレンボ製のブレーキを採用。R33型ではブラックだったブレーキキャリパーはR34型ではゴールドに塗装されている。
さらに走行風を利用してホイール内部の空気を吸い出すブレーキシステムの採用により、スポーツ走行時の耐フェード性を向上させたほか、フロントのブレーキパッドにドイツユーリッド社製ハイパッドを採用し制動能力をアップしている。
このブレーキシステムを納める18インチアルミホイールは鍛造のワンピースでR33型に比べて1台あたり4kgの軽量化を行い、バネ下重量を軽減し操縦安定性の向上を図っている。
主翼と可変翼部から構成されるリアスポイラーやVスペックにおいては空気の力を積極的に活用するため、車体下部の空気の流れを整えてダウンフォースを生み出す、フロントディフューザー&リアカーボンディフューザーを採用。
特に高速(80km/h)でのコーナリングやブレーキ時の安定性の向上し、騒音も低減している。
2000年8月のマイナーチェンジでは当時量産車として初めてVスペックⅡにNACAダクト付きカーボンボンネットを採用するなど、常に究極のドライビングプレジャーを追求し、走りの楽しさの世界基準を提案してきた。
そして2002年1月、R34型スカイラインGT-Rのファイナルモデルと言える限定車の「Mスペックニュル」と「Vスペックニュル」を1,000台限定で発売。
「Mスペックニュル」と「Vスペックニュル」は、レースなどのベースエンジンに使われているN1仕様エンジンをベースに、エンジン中心部品であるピストンやコンロッドを重量バランスの均一化を図った高精度バランス品とすることで、エンジン高回転域における爽快な回転フィーリングにより磨きをかけた。
さらに、限定車専用としてゴールドシリンダーヘッドカバーを採用し、特別仕様のエンジンであることが一目でわかるものとしている。
また、限定車特別装備として、フルスケール300km/hの専用スピードメーター、立体成形の専用グレードネームエンブレムなどを採用した。そのうえ特別塗装色ミレニアムジェイドを限定車専用色として追加設定している。
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