マツダと聞くとアラフィフの筆者にとっては、FC3S型サバンナRX-7、FD3S型アンフィニRX-7(のちにマツダRX-7に改名)が搭載した13Bターボ。
そして、ユーノスコスモに搭載された3ローターの20Bターボといったロータリーエンジンを真っ先に思い浮かべてしまう。
しかし、そんなマツダの代名詞だったロータリーエンジンも2012年6月に生産終了しすでに7年が経過した現在でも市販車は登場していない。
そんな現在、色々な意見はあると思うが、マツダの代名詞と言えるモデルは個人的にはロードスターだと思っている。1989年9月に初代ロードスターが販売開始されて以来、1度もその火を絶やすことなく平成を越えて令和の時代でも4代目となるND型が販売されているからだ。
初代デビュー以来30年、本来オープン2シーターのスポーツカーを指す「ロードスター」という言葉も、少なくとも日本においてはマツダのこのモデルの代名詞となった。
一生に一度は、マツダロードスターのオーナーになってみたいというクルマ好きも多いのではないだろうか。
今回は歴代モデルの中から、2005年に登場したNC型と2015年に登場した現行型であるND型の中古車事情について紹介します。
文:萩原文博/写真:マツダ、ベストカー編集部
先代モデルであるNC型ロードスターを振り返る
歴代ロードスターの中で異端ともいえるモデルが3代目のNC型ロードスターだ。それは4ドアクーペのRX-8と共通のアーキテクチャーを使用し、3ナンバーボディとなり、ライトウェイトスポーツ感が少々薄れたことが挙げられる。
しかし、徹底的に軽量化を施し、その高い走行性能によって2005-2006日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーに選ばれた。
また、RHT(リトラクタブルハードトップ)と呼ばれる電動開閉式のハードトップ車が設定されたのも特徴だ。開閉時間は約12秒で、ルーフを格納してもトランクの容量が変わらないというユーティリティの高さが魅力といえる。
NC型ロードスターの中古車相場はいくら?
現在、ソフトトップそしてRHTを含めたNC型ロードスターの中古車の流通台数は約278台と歴代ロードスターの中で最も多く、ロードスターの中古車の中心はこのモデルと言える。中古車の平均価格の推移を見てみると3カ月前は約94万円で、現在は約97万円とやや値上がり基調となっている。
それではソフトトップ、RHTそれぞれの中古車の価格帯や流通台数、そしてグレード分布を見てみる。
NC型ロードスターのソフトトップ車の流通台数は約151台で、価格帯は約18.6万~約217.5万円とスポーツカーらしく年式や走行距離、トランスミッションによって価格差が大きくなっている。
グレード分布を見てみると、最も多いのが、走行性能に磨きを掛けたグレードのRSで約69台。続いてチューニング用のベース車としてリーズナブルな価格だった標準車の約44台、そして装備が充実したVSの約16台となっている。
珍しいグレードではモータースポーツ用のベース車であるNR-Aが約9台流通している。走りのグレードともいえるRSのトランスミッションはMTのみで、標準車は約44台のうち約7割がMT車、約3割がAT車となっている。
AT車でのんびりとオープンエアを楽しむなら標準車やVSがオススメだが、やはりMTで操る楽しさを味わいたいという人はRSか標準車がオススメだ。
最も流通台数が多いRSの価格帯は約40万~約205万円となっており、半数以上の約37台が100万円以下で購入できるようになっている。100万円以下の中古車は走行距離5万km以上でサスペンションなどがチューンされている物件が多くなっている。
したがって、購入後は自分の好みに合わせてパーツを交換して楽しみたいという若者向け。一方、100万円以上の中古車になると走行距離のノーマル車が多いので、こちらはNC型オリジナルの走りを楽しみたいという人にピッタリだ。
続いてはNC型ロードスターに設定されたRHTだ。現在RHTの中古車の流通台数は約127台で、価格帯は約39.8万~約225.8万円とソフトトップ車とかなりクロスオーバーしている。RHTのグレード分布は最も多いグレードはRSというのはソフトトップと同じだが、次いで多いのがVSそして標準車という。
レアモデルでは、2007年10月に設定された特別仕様車の「プレスレージエディション」の中古車が8台流通している。最も多いグレードのRSのトランスミッションはMTのみだが、VSはAT車の比率が約94.5%、標準車でも約54.5%とRHTはソフトトップと比べるとAT車の比率が高いのが特徴だ。
やはりハードに走るユーザーは重量バランスの良いソフトトップを選ぶほうが良いと言える。
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