今回、ベストカー恒例の「乗り心地テスト」のテスト車に選んだのはホンダシビックタイプRとVWゴルフGTI、日産GT-R、レクサスLC500hという最新スポーツ系モデルの4台。
テスターはおなじみ、レーシングドライバーであり、元BC編集部員でもある大井貴之氏。乗り心地テストのコースは、ウネウネと路面がうねった道路のある”音羽ニュル”。乗り心地の評価はテスターである大井氏の印象と採点とした。
採点は「不快指数」という数値で表現。50%が基準値で、最も乗り心地が悪い場合の最大値が100%だ。また助手席のハカリがどれだけ上下動したかというアナログなGセンサーも準備した!! どんな結果になるのか、乞うご期待!!
文:大井貴史/写真:黒田明
ベストカー2017年12月10号
■シビックタイプRのニュルで鍛えた足回りはどうだ!?
大幅な車体剛性アップ、リアサスのマルチリンク採用、25mm低くなった全高、100mm伸びたホイールベースなどにより、新型タイプRは別モノに生まれ変わった。
結果としてニュルのラップタイムも約7秒短縮。ネットに流れている車載映像を見てもハンドリングの進化の大きさが窺える。
というタイプR本来のステージとはまるっきり違う今回の乗り心地テストだが、ここでも大きな進化を感じることができた。
従来のタイプRは苦痛としか言いようがない乗り心地だったが、今回のモデルは驚くほど普通に走る。単にソフトな乗り心地ではなく、しなやかに足が動く乗り心地のよさ。しかも遮音性がいい。
相変わらずド派手な外装だが、旧型よりはしっかりデザインされている。メーターの視認性も抜群に向上。シートの出来もいい。ニュルではスーパースポーツモデルだが、街では高級な走り味を持ったクルマとして乗ることができる。
不快指数30% / ハカリの揺れ幅60g(コンフォートモード)、80g(スポーツモード)
■ゴルフGTIはイメージ的に超快適そうだが!?
限定車ではシビックやメガーヌを相手にニュルのタイムバトルに参加しているものの、普通のGTIはそのスタンスを変えていない。
マッチョなスポーツモデルを求めていたとしたら物足りないと感じるインテリア。快適性とホールド性を兼ね備えたシート。
どれもシビックなどに較べれば地味だが、スポーティカーとして充分な性能を持っているし、もちろん、普通のゴルフに較べれば各部にGTIらしいスポーティな演出が盛り込まれている。マイチェン後モデルのパワーはプラス10㎰。走り味は若干スポーティになった気がする。
しかし、基本は今まで通りで、パッセンジャーにとっては高級なゴルフ。乗り心地テストのようなごく普通の市街地ドライブでは驚くほど穏やかに走ってくれる。
しかし、アクセルを踏み込んだ途端、驚きの動力性能を発揮する。シビックタイプRに対しパワーは90ps、トルクも5.15kgm劣るが、1500回転から最大トルクを発揮するエンジン特性とDCTの組み合わせで瞬発力は負けていない。
不快指数25% / ハカリの揺れ幅 50g(コンフォートモード)、70g(スポーツモード)
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