2024年10月17日(日本時間)、日産は北米で通算4代目となる新型「ムラーノ」を発表しました。2025年初頭に、アメリカとカナダで販売が開始されます。
ムラーノは、日本でも2015年まで販売されていた日産のFFラージサイズのクロスオーバーSUV。スタイリッシュなデザインが魅力のモデルで、SUVが主流となったいまこそ導入してほしいモデルですが、はたして新型ムラーノが日本に導入される可能性はあるのでしょうか。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】日本でも売ってくれー!! 北米で発表された、日産のラージサイズクロスオーバーSUV 新型「ムラーノ」(11枚)画像ギャラリー先代モデル以上にスタイリッシュ!!
日本では2015年に2代目をもって販売が終了となってしまった日産「ムラーノ」。ただ、米国や中国では販売が継続されており、このたび新型となる4代目が北米でお披露目となりました。
新型は、スタイリッシュな5人乗りのクロスオーバーSUVとして歴代ムラーノの長所を引き継ぎつつ、全面的に見直されています。日産によると、新型ムラーノの特徴は、エレガントなデザイン、高い快適性、そしてGoogle ビルトインによるシームレスなコネクティビティにあるとのこと。時代と顧客の需要に合わせたアップデートをしたかたちだと思われます。
フロントには、北米キックスや国内セレナ、ノートなど、昨今の日産車が採用する水引模様をモチーフとしたフロントグリルを採用。Aピラーからテールまで続くシルバーのラインはフェアレディZにも似ており、これまで以上にスタイリッシュになりました。LEDテールライトや21インチの大径ホイール、専用の2トーンボディカラーなども、トレンドをおさえていると感じます。インテリアは、質感の高い素材を随所に盛り込み、お馴染みのデュアル12.3インチディスプレイや、64色のアンビエントライティング、ヘッドアップディスプレイ、マッサージ機能付きフロントシートなども採用されました。
パワートレインは、最高出力244PS(241hp)、最大トルク352Nm(260lb-ft)の2.0L直4 VCターボに9速AT(パドルシフト付き)を組み合わせたFF車または4WD。北米アルティマの上級グレードに設定されているエンジンです。乗り心地の質感向上のための周波数感応型ダンパーや、ハンドリング質感アップに貢献する新型EPSも採用されています。また全方位運転支援システムを全モデル標準装備し、「プロパイロット(現地名はProPILOT Assist)」や「インテリジェントアラウンドビューモニター」を設定するなど、3代目ムラーノに欲しかったアイテムはもれなく投入。ラグジュアリーSUVを好む北米ユーザーの期待に応えた一台に仕上がっています。
ただ、パワートレインは2.0L VCターボのみ
スタイリッシュで迫力あるサイズ感の新型ムラーノは、SUVが主流のいまこそ日本市場にも欲しいモデル。新型登場のこの機会に、ぜひとも復活を期待したいところですが、残念ながら、今作も日本導入の可能性は低いと筆者は考えます。
最大の懸念はやはりパワートレインです。国内エクストレイルがe-POWERのみであることを考えれば、この新型ムラーノも、もしも日本市場に投入されるならば、なんらかのハイブリッドユニットを搭載しての登場と考えられますが、発表されているパワートレインは、VCターボの1種類のみ。国内エクストレイルにある1.5L VCターボe-POWERのようなハイブリッドユニットは現時点発表されていません。
北米は、ローグ(日本名エクストレイル)も1.5L VCターボ1種類のみと、いまも純ガソリン車が主流の市場。そのため、今回の新型ムラーノもVCターボのみという設定となったのでしょうが、国内では、「日産=電動車」というイメージを強めることに力を入れている日産が、ガソリン車である新型ムラーノをそのまま投入することは考えにくく、だからといって、エクストレイルよりもひと回り大きなボディサイズのムラーノにエクストレイルと同じ1.5L VCターボe-POWERでは、動力性能が見劣りしてしまいますし、日本向けに新たにe-POWERを開発することも考えにくく、開発したとしても、安いグレードでも税込500万円オーバーという高額SUVになってしまいます。
やはり日産としては、ムラーノを国内投入する気はない、と理解せざるを得ないのです。
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