2023年にブランド最小モデルとして登場したレクサス LBX。ワンランク上のコンパクトSUVを求める層に注目された一台だったが、さらに2024年、ハイパフォーマンスモデルの「MORIZO RR」が加わった。サーキットモードを備えるなどかなりの本気度を持つLBX MORIZO RRに、ご存知清水草一氏が試乗した!!
※本稿は2024年10月のものです
文:清水草一/写真:中里慎一郎、トヨタ
初出:『ベストカー』2024年11月26日号
■MORIZO RR……とはなんぞや?
レクサス LBX MORIZO RR。一般ピープルが聞いたら「?」となりそうな車名だが、レクサスの小型SUV「LBX」に、GRヤリスのメカを移植したマシンと言えばわかりやす……くもないか。ちなみにMORIZOはトヨタ自動車・豊田章男会長の別名、RRは会長率いる「ルーキーレーシング」の略とのこと。
レクサス LBXは富裕層の日常の足として人気が高いが、そこに304馬力のパワートレーンを積み、より戦闘的なルックスを与えられている。ゲタにも特別な何かを求める層は「こんなクルマを待っていた!」となるだろう。
まずは8ATバージョンから公道へ。走り出すと、静かで滑らかで乗り心地がメチャいい。まるでノーマルのLBXみたい。フツーに走ってると、まったくどこにも特別さを感じない。ボディ剛性強化のおかげか、ヘタするとノーマルより乗り心地いいかも。これでサーキットまでこなすのか? と半信半疑になる。
【画像ギャラリー】スマホアプリからの操作ひとつで「狼」になる!? 2つの顔を持つ小さな高級車・レクサス LBX MORIZO RR(30枚)画像ギャラリー■入念に入念を重ねて開発されたのを感じる
アクセルを深く踏み込むと、確かにノーマルとは段違いのパワーとトルクが炸裂するが、それも決して暴力的じゃない。
なにしろこれはレクサス。AMGなどドイツ御三家のスペシャルマシンの如く、エレガントにハイパフォーマンスを叩き出すタイプなのだ。コーナーでも重心の高さをまったく感じない。SUVというよりホットハッチだ。
スポーツモードボタンを押すと、アクセルレスポンスが増し、車内に響くサウンドが断然レースっぽくなる。スピーカーで出してる音だけど、よくチューニングされてるぜ。
前後の駆動力配分は通常7:3ながら、ボタンひとつで5:5にも変更可能。こういうクルマでそこまでやるのか! オンにすると若干リアで押し出す感じになります。それでも高級感はレクサスそのもの。一般道を軽く走っただけで、このクルマがウルトラ入念に開発されたのを感じる。
パワーがある分、当然燃費は悪いです。ノーマルの半分くらい(10km/L弱)しか走りませんが、それに文句をつけるユーザーはおるまいて。
【画像ギャラリー】スマホアプリからの操作ひとつで「狼」になる!? 2つの顔を持つ小さな高級車・レクサス LBX MORIZO RR(30枚)画像ギャラリー■ユーザーのニーズや予想を超えたクルマ
続いて6MTだ。うおおおお、やっぱりMTだと感じ方が違うぜ。車重もATより30kg軽いし、フツーに転がしてもホットハッチ感ビンビン。こういうクルマでMTなんて、世界中探してもほかにあまりない。
コレを選ぶ人は、よほどの好事家か転売ヤー? なんて思ってしまうが、「ここまでやるのか!」ってところまでやるのが今のトヨタだ。開発陣の過剰な情熱やムダな努力(スイマセン)こそが、高いブランド力を生むことをご存知なのですね。
しかもこのクルマ、AT/MTを問わず、サーキットモードまで用意してるんだから驚くしかない。このクルマでサーキット走る人っているのか? とか思ってしまったら負けなのだ。LBX MORIZO RRは、ユーザーのニーズや予想を超えたクルマだと断言できる!
【画像ギャラリー】スマホアプリからの操作ひとつで「狼」になる!? 2つの顔を持つ小さな高級車・レクサス LBX MORIZO RR(30枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方