マツダの売れ筋モデルとして、重要な役割を担っているCX-5。かつてランエボの開発ドライバーを務め、4WDには誰よりも厳しい目を持っている中谷明彦氏も、CX-5のAWDに太鼓判。それゆえ2世代続けたマイカーにしていた時代も。AWDの完成度のほか、CX-5を高評価する理由とは?
文:中谷明彦/写真:ベストカーWeb編集部
マツダ車と過ごした青春
思い返すと、18歳で運転免許を取得し、最初に手に入れたのはマツダ・ファミリア・ロータリークーペだった。4年落ちで走行距離6万kmの車両を従兄弟から安く譲ってもらった。
10A型2ローターのロータリーエンジンを搭載するロータリークーペは、当時ノンターボながら7000回転まで回り、回転振動が少なく、パワフルで圧倒的に速い車だった。
4速MT仕様でヒール&トウを駆使して走り回った。ただ燃費が5km/L前後で、当時のガソリン価格でも浪人学生の身分では厳しく手放す。
その次に購入したのは大学生時代にマツダ323ファミリアだった。FFとなった最初のファミリアで、父親と色違いで2台保有していた。このクルマはハンドリングが抜群で、飛び込み参加したジムカーナで2位を獲得。
サンルーフ標準装備、後席分割可倒ラウンジシートなど、4人がくつろげる室内空間も魅力だった。この車は4年間所有し16万km走ったものだ。
プロのレーシングドライバーとなってからは三菱・ラリーアートや他のレース活動での契約事情もありマイカーを自由に選べなかったが、近年、フリーライターがメインとなり、自分の使用目的や好みに合う車を保有することができるようになる。
そんな状況で所有したのが2015年式KE型マツダCX-5 XD Lパッケージだ。もちろんAWDモデル。
【画像ギャラリー】まもなくデビュー間近!? 新型[CX-5]のスガタ見て!!(10枚)画像ギャラリーディーゼル車離れした完成度に唖然
CX-5は登場前の開発段階に袖ヶ浦サーキットで開発車両テスト試乗会が開催され、そこでディーゼルとは思えない素早い回転の吹け上がりと優れたドライバビリティに驚愕した。「鼓動」デザインのスタイリングも抜群だった。
何よりマツダが提唱する「SKYACTIV」技術の取り組みをフルに導入したテスト車をドイツ・ベルリン中心に走りこむ機会が与えられ、エンジンだけでなくシャシーやトランスミッションにも感妙を受け、当時日本カー・オブ・ザ・イヤーでも満点を投票したほど。
購入した2015年式はモデル末期となった最も進化したモデルで、非常に満足度が高いクルマだった。
そのクルマを米国留学から帰国し結婚した娘夫妻に譲ったことで (娘も気に入っていたようだ)、自分のクルマがなくなってしまい、次の選択肢を検討したが、やはりCX-5しかヒットしなかった。
【画像ギャラリー】まもなくデビュー間近!? 新型[CX-5]のスガタ見て!!(10枚)画像ギャラリーユーティリティの拡充にひと目惚れ!!
改めて新車で購入したのは2021年式のKF型。同じくディーゼル・ターボエンジンを搭載するAWD仕様で、マツダ創立100周年を記念した特別仕様車を選択した。赤い革シートと赤のフロアマット、フロアインナーパネルも赤で、黒のルーフライナーもポイントだ。
KF型ではKE型時代からマツダに再三要望していた後席シートヒーターに後席シートバックリクライニング機構、後席用エアコン吹き出し口が採用されたことで購入しない理由がなくなっていた。
前席左右電動アジャストシート、前席にシートベンチレーション機能も追加され、リアゲートは電動化されるなどコストバリューは競合他車に比べ相当高く、ディーゼルの燃費は軽油で18km/L台と圧倒的。燃料代の安さも見過ごせない魅力だった。
残念ながらパールホワイトしか選択肢がなかったこと、車体デザインはKE型の方が好みだったことなどから2年で手放してしまった。
こうして振り返ると、父親の時代も含めると中谷家のマツダ車所有率は結構な高さだった。
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