内燃エンジンと電動モーターを組み合わせるハイブリッド車もすっかり定着した現在だが、このハイブリッド車にも取り扱いの注意点はある。今回は、ハイブリッド車を“健康”に保つためのポイントを紹介していこう。
文/長谷川 敦、写真/スズキ、トヨタ、ホンダ、日産、写真AC、CarWp.com
【画像ギャラリー】ハイブリッド車を長く乗り続けたいなら知っておきたいこととは?(17枚)画像ギャラリー■ハイブリッド車の弱点はどこにある?
欧州を中心にEV(電気自動車)に注目が集まっているものの、意外に使いにくい面もあるEVよりエネルギー効率に優れたハイブリッド車が優位な部分も数多い。
その最たるものが、燃料を入れればすぐに走れることで、これは充電に一定以上の時間が必要なEVに対する大きなアドバンテージになる。
そしてPHEV(プラグインハイブリッド)以外のモデルなら、充電施設がなくても維持が可能なのも利点といえる。
また、バッテリーの能力が低下してしまう低温状態にも強く、これは寒冷地でも使用できることを意味している。
だが、ハイブリッド車にもバッテリーは搭載されていて、これが弱点にもなり得るのを忘れてはいけない。
バッテリーはデリケートな物品であり、取り扱いを間違えると寿命を大幅に縮めてしまう可能性もある。
バッテリーが劣化すると、本来のパワーが得られないことに加えて容量の低下も発生する。
容量の低下は航続距離が短くなることを意味し、結果として燃料の消費量も増えてしまう。
もちろんクルマである以上、使用に従ってバッテリー以外の部分も消耗や劣化が進むが、バッテリーには特に気を配る必要がある。
次の項では、どのような行為がバッテリーにダメージを与えるのかを見ていこう。
【画像ギャラリー】ハイブリッド車を長く乗り続けたいなら知っておきたいこととは?(17枚)画像ギャラリー■バッテリーを痛めるNG行為
先にお断りしておくと、ここから紹介するのは少々極端な例であり、一般的な使用方法であればハイブリッド車のバッテリーを大きく劣化させることはない。
とはいえ、どのようにするとバッテリーが劣化しやすくなるかは知っておいて損はなく、ちょっとした気配りでハイブリッド車の寿命を延ばすことはできる。
●過充電にならないよう気をつける
ハイブリッド車には大別してニッケル水素とリチウムイオンの2種類のバッテリーが使用されているが、どちらのバッテリーも過充電や過放電でダメージを受けやすいという特徴がある。
まずは過充電についてだが、これに関しては通常の使用であれば特に問題はないはず。
走行中はバッテリーを過充電しないよう車載された充電器が制御を行い、外部充電施設で充電を行う場合もバッテリーを最適な状態になるよう充電器が管理してくれる。
つまり、普通に使っていれば過充電の心配はまずないといえる。
●放電状態で放置しない
対して過放電はどうかというと、こちらは充電よりも気をつける必要がある。
EVモード、つまり電動モーターのみで走るモードにした際に、バッテリー残量がゼロになるまで走行するのは避けたい。
バッテリーの残量がゼロになるというのは過放電にかぎりなく近くなるということでもあり、この状態からさらにEVモードで走り続けるとバッテリーは確実にダメージを受ける。
また、バッテリーは置いておくだけでも温度変化などによって自然に放電してしまうケースもあるので、バッテリーを使い切ったままの状態でクルマを保管するのも望ましくない。
特に長期間クルマを使わないのであれば、駐車前にバッテリー残量をチェックし、2~3割以上の残量がある状態でクルマを保管するのがお薦め。
●ガレージの温度にも注意しよう
ハイブリッド車に使われているバッテリーは温度の変化に敏感で、なかでも高温に弱いという特性がある。
これはなにもハイブリッド車用バッテリーに限ったことではなく、スマートフォンなどでもバッテリーが熱くなると寿命が縮むといった話を耳にしたことがある人も多いだろう。
走行中のハイブリッド車のバッテリーはファンなどによって冷却されているから心配はないが、締め切った真夏のガレージで保管する場合には注意が必要。
もしこのような環境にバッテリー満充電状態のハイブリッド車を置いておくと、高温下にさらされたバッテリーがダメージを受ける可能性は低くない。
ドア(シャッター)付きのガレージにハイブリッド車を置いている人は、満充電状態で保管しないことと、定期的な換気でガレージの温度を下げることを心がけたい。
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