“エンジンを発電専用として使う”ニューモデル、ノートe-POWER。その新感覚の走りを確かめるべく公道試乗を敢行だ!!
また、気になるのが実燃費。クラス最高を誇るアクアとの直接対決で、その実力をシーン別で徹底検証した。
文:鈴木直也、永田恵一/写真:平野学
ベストカー2016年12月26日号
EVのリーフを思わせる“静かでスイスイ走る気持ちよさ”
ドライバビリティに関してはノートe-POWERはまんまピュアEVライクな味つけだ。
なんせ、リーフより300kg近く軽いボディに、リーフと同じ最高出力70kW/最大トルク25.9kgmのモーターを搭載しているんだから、アクセルを踏んだ時の「グイグイ感」は強烈。初期加速やレスポンスの敏感さはBセグメントのなかでは抜きん出ている。
もちろん、アクセルを強く踏めば即座にエンジン(79ps/10.5kgm=ノートのNA車と同様)が始動して、リーフとは違うシリーズハイブリッド車であることを思い出すのだが、アクセルを床まで踏んでもエンジン回転数の上昇はうまく抑制されていて静粛性も良好。
ドライバビリティ的にも、ガソリンエンジン+CVTの標準ノートのような「ラバーバンドフィール」はほとんど感じられず、ダイレクトなトルク感が力強い。
このへんの「静かでスイスイ走る気持ちよさ」は、かなりリーフに近い。少なくとも、標準のガソリンエンジン仕様とまったく違うクルマであることは、乗ればすぐ理解できるはずだ。
また、ノーマルのノートより170kgほど重く、充電池の床下配置で低重心化したことが、乗り心地とハンドリングに好影響を与えていて、ノートe-POWER全体にズシッと腰の据わった重厚な乗り味をもたらしている。
これも、リーフに乗ったことのある人ならわかる「あの感覚」で、これまたちょっとEVっぽいところと言える。
200万円以下で買えるハイブリッド車として、多くの人はノートe-POWERをアクアやフィットハイブリッドのライバルと位置づけるかもしれないが、実際に試乗したぼくのイメージは「ちょっと違うな」というもの。
コイツは日産の主張するとおり、リーフのエントリー版に位置する新しいタイプの電気自動車という気がします。
(鈴木直也)
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