「三菱の強さを活用していただければ」三菱自・加藤社長が会見で日産、ホンダとの経営統合参加の条件を語る「2月中旬の発表に合わせて」

「三菱の強さを活用していただければ」三菱自・加藤社長が会見で日産、ホンダとの経営統合参加の条件を語る「2月中旬の発表に合わせて」

 2025年2月3日、三菱自動車は2024年度第3四半期決算会見を実施。登壇した三菱・加藤隆雄社長には「日産・ホンダとの経営統合」の質問が集中した。「三菱としての経営統合に合流するかどうかの判断基準はどこか?」など、熱い質疑応答を含め、加藤社長の会見発言を整理してお届けします。

文:ベストカーWeb編集部、画像:三菱自動車

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「(経営統合見送りは)当社の発表ではない。引き続き幅広く検討してゆく」

 2024年12月に実施された日産・内田誠社長、ホンダ・三部敏宏社長、三菱自動車・加藤隆雄社長の共同会見では、「三菱自動車は、2025年1月末をめどに日産自動車とHondaによる経営統合への参画・関与の可能性に関する検討結果を出すことを目指します。」と発表された。

 上記は日産とホンダの両社がなんらかの検討結果を発表することが前提であったが、両社の検討と発表は「2月中旬に」と先送りされた。三菱自動車の検討発表もそれに合わせて先送りされることとなり、結果的に1月末には具体的な公式発表はなかった。

 そうして迎えた本日2月3日の三菱自動車、第3四半期決算発表日。

 記者から「検討結果の公表が先送りになった理由は?」と問われた加藤社長は、「(日産とホンダ)2社の協議と発表が先送りとなったことで、当社の検討もそれに合わせて遅らせることとなりました」と回答。

「一部報道で、三菱自動車は2社との経営統合を見送ると決めた、とあったが、これは事実か?」との質問には、「(「合流見送り」は)当社が発表したものではありません。引き続き幅広い選択肢を検討し、日産さん、ホンダさんとの協業による効果が最大化する方法を検討しています」とのことで、「経営統合の可否はいまだ検討中であり条件次第」ということが強調された。

2024年12月23日に実施された、日産、ホンダ、三菱自の社長揃い踏みの記者会見。「経営統合」まで踏み込むか、手前で止まって(バッテリー共同供給やSDV共同開発など)「部分協業」に留まるかが争点となる
2024年12月23日に実施された、日産、ホンダ、三菱自の社長揃い踏みの記者会見。「経営統合」まで踏み込むか、手前で止まって(バッテリー共同供給やSDV共同開発など)「部分協業」に留まるかが争点となる

 また、「日産やホンダと経営統合を検討するにあたり、三菱自動車として参加するかどうかの条件はどのようなものか?」との質問には、「PHEV技術やASEAN市場、新型のピックアップトラックなど、当社の強みを(経営統合した場合は)活用していただけるのか、また当社があまり得意ではない分野、知能化であるとか北米市場での販売などで、どのような利益が得られるのか、というあたりが条件になるかと思います」と答えた。

 そのうえで、電動化・知能化などの次世代技術開発や各種調達分野においての「協業」の検討は、(「経営統合」までするかどうかに関わらず)引き続き進めてゆくことも明らかにされた。

 なお2024年度第3四半期決算は前年同期比(FY2023比)で減収(売上高2兆639億円→1兆9893億円)減益(営業利益1601億円→1046億円)となるもグローバル販売台数は58.5万台から62.4万台へ伸長し、通期(FY2024)の見通しも下方修正(売上高2兆7600億円、営業利益1250億円)するものの、タイ工場の希望退職者制度(300名)の完了やタイバーツ高騰など為替損の計上など、製造と販売の適正化が一息ついたことで「第三四半期で底を打ったと見ている(加藤社長)」と予想。

 来期は新型アウトランダーPHEVの欧州販売本格化やASEAN市場を含む新興国でのハイブリッド車投入の加速などが見込まれ、経営的には上昇気流にある、との見通しが語られた(もちろん米トランプ政権の関税など不安要素も含みつつ)。

三菱自動車の2024年度の通期決算見通し資料。厳しい国際情勢のなか充分健闘している…といえる内容(日産やホンダの苦戦要因となっている北米市場や中国市場にあまり依存していないところが大きい)
三菱自動車の2024年度の通期決算見通し資料。厳しい国際情勢のなか充分健闘している…といえる内容(日産やホンダの苦戦要因となっている北米市場や中国市場にあまり依存していないところが大きい)

 日産とホンダの経営統合に関する協議検討結果(見通し)発表は両社から「2月中旬に」とステートメントが出された。2025年2月13日には日産、ホンダ両社の決算発表が予定されていることから、この日までになんらかのコメントが発表される可能性が高い。この時に三菱自動車の検討結果、参加の可否も一定程度明らかにされる見込み。

決算資料にも掲示された、大幅マイチェンを実施し売上好調のアウトランダーPHEV(いい写真だ)
決算資料にも掲示された、大幅マイチェンを実施し売上好調のアウトランダーPHEV(いい写真だ)

 両社の協業がどのようなかたちになるかは、(比較的、日産・ホンダと得意分野が重ならない)三菱自動車の存在が鍵になる。ぜひ「三菱自動車らしさ」にこだわりつつ、次世代技術開発や調達、販売分野などで日産、ホンダとの協業による利益を最大化してほしい。

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