車両保険をいくらに設定するか(保険価額)は、事故や盗難による全損の際に補填される金額を左右するため、自動車保険の中でも重要な要素です。基本的に新車・中古車ともに、購入時の売買契約書の金額に基づいて設定されますが設定の際にはいくつかの注意点があります。落とし穴も多い車両保険について、知識を深めていきましょう。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=Andrey Popov@Adobestock)
【画像ギャラリー】車両保険はケチらず、納得のいく内容で契約しよう(4枚)画像ギャラリー落とし穴1:相場よりも高い保険価額を希望する
車両保険の保険価額は、車両の時価額が基本となるため、ある程度の相場が決まっています。そのため、中古車をプレミア価格などの高額で購入した場合、保険価額が購入額よりも低くなることがあるのです。
こういった事例を放置すると、事故発生時に補償額ついて折り合いがつかず保険会社とトラブルに発展するケースも少なくありません。そのため、車両保険に加入する際には、購入価格だけでなく、中古車市場の相場価格を調べてみましょう。
また保険会社が想定する車両価値と購入価格が大きく乖離している場合は、保険会社にその旨を相談してください。保険条件によっては、保険価額を購入金額に合わせて設定してもらえる可能性があります。
【画像ギャラリー】車両保険はケチらず、納得のいく内容で契約しよう(4枚)画像ギャラリー落とし穴2:保険価額を低く設定して保険料を削減する
保険価額を低く設定し、実際の車両価値よりも低い保険金額で車両保険を契約すると、事故時に比例填補が適用され、支払われる保険金が減額される可能性があります。
たとえば、実際の車両価値が200万円、保険価額が100万円の場合、全損時に受け取れる保険金は100万円です。
このケースでは100万円以下の部分損害の場合、かけられている保険価額が車両価値の半分なので、50万円の修理費用が発生しても、保険が補填する金額は、その半分にあたる25万円となる可能性があります。
このように、ユーザーが支払い保険料を抑えるために保険価額を低く設定しても、これでは保険が役割を果たしません。安易な節約目的で保険価額を低く設定することは避けるべきでしょう。保険金額を適正に設定し、必要な保険料を支払うことは、保険が保険として機能するために必要なことです。
【画像ギャラリー】車両保険はケチらず、納得のいく内容で契約しよう(4枚)画像ギャラリー落とし穴3:プレミア価格の設定でも時価が補償の限界になるケース
車両の中には、特定の人気モデルや限定モデルなど、市場でプレミア価格がつくものもあります。このような車両に対しては、購入価格やプレミア価格をもとに高めの保険価額を設定することが一般的です。
しかし、事故時の保険金は時価に基づいて算定されます。そのため、プレミア価格で購入した車両でも、事故時に市場での価値が低下していると、十分な保険金を受け取れない可能性もあるのです。
それでも保険価額とクルマの売買価格に差が生まれる時は
車両保険に車両新価特約や車両全損復旧費用などがある場合、それを付加することで購入価格に近い補償を得られることがあります。新車購入時は、車両新価特約を付けることで、購入後一定期間(1~5年)は、新車価格に基づいた補償を受けられるのです。
また、車両全損復旧費用は、事故により車両が全損となった場合に、修理費や代替車の購入費用などを補償する特約です。これを付帯すれば、車両保険金額の2倍または車両保険金額に100万円を加えた額のいずれか低い額を限度とした補償を受けられます。
ただし、これらの特約を付帯すると保険料は高くなるため、特約の有無が保険料に与える影響と、実際に得られる補償のバランスをよく検討しましょう。
車両保険を設定する際には、購入価格と市場価値の乖離や比例填補のリスクを理解し、適正な保険価額を見つけ出すことが大切です。
また、特約の活用や保険会社との交渉で、自分に最適な補償金額を引き出すことも可能になります。自動車保険の中核とも言える車両保険は、妥協せずに納得のいく内容で設定しましょう。
【画像ギャラリー】車両保険はケチらず、納得のいく内容で契約しよう(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方