ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は2014年の企画「日本のGT 世界のGT」から、日本&世界のおススメGTをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年3月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:国沢光宏
■現実的な値段で手に入れられる注目GTたち
日本のイチオシGTは、誰が何といっても86/BRZである!
考えて頂きたい。この数年、日本の自動車メーカーを見ていると、クルマ好きとしちゃ不完全燃焼です。本来なら注力すべき「電子制御を使う安全技術」まで欧州に遅れをとってしまった。日本車のお家芸である燃費で何とかリードを保っている程度。2000年代に入るや、スポーツ>についちゃ開発が事実上休止状況。
そんななか、不思議なことに86/BRZだけがリーマンショックによる不況でも開発中止にならなかったのだった。モリゾウさんの強い意向もあったのだろう。しかも多田さんという「速さだけがクルマの楽しさじゃない!」と言い張る希代のクセモノCEにより、普通のGTと違う道を歩む。タイヤとエンジン性能のバランスたるや素晴らしい! こんなに楽しいGTなど世界中探してもないです。
実際、ワンメークレース&ラリーの人気もうなぎ登り。今年なんかエントリーを断る状況になりそう。何よりモリゾウさんがゾッコンで、愛知県知事に代表される要人を助手席に乗せてのドーナツターンは、セレブに大人気のアトラクションとなりつつある。
かくいう私も昨年タイのラリーでBRZに乗って以後、魅力に逆らえなくなってきた。4WDターボの次の世代のラリーは86/BRZかもしれない。超楽しいす!
次点がアクセラスポーツXD。GTというイメージじゃないようにも思えるけれど、そんなことありません! 少し大げさに感じるかもしれないが、私は現代版の「羊の皮を被った狼」だとさえ考えます。
エクステリアはフロントに入った赤いラインだけながら、踏めば速い! なんたって最大トルクときたら42.8kgmもあるのだ。WRXのSTIで43kgm。車重ほぼ同じ。
5000回転くらいまでの加速感はWRX STIとイーブンである。ちなみに「WRX STIの性能をフルに引き出すほどのスポーツドライビング」をしようとすれば、明確に「走りのスイッチ」を切り替えないとダメ。5000回転以上は気軽に使えないっす!
こらもうGTというよりスポーツカーの走り方が必要。街中で日常的に使う「GT」の走り方なら、アクセラスポーツXDとWRXSTIはイーブンかと。
残念ながら未だにアクセラスポーツXDはディーラー試乗車として出回っていないため、まだ皆さん味見できない状況。もう少しすればディーラーにも配車されるようになるため、私の言いたいことが理解して頂けるようになると思う。
その際、できればマニュアルミッション車を試してほしい。こんな楽しいクルマ、久々だと感じてもらえるだろう。現代的なGTだと考えます。
日本車の次点はマークXやCR-Z、レガシィ、そして新鋭レヴォーグといったあたりになるけれど、どれも少しばかりもの足りない。例えばマークXのボディだと、もっとパワー必要。モデリスタが作った最大トルク50kgm超えのスーパーチャージャー搭載モデルくらいになると「こらGTですね!」。
CR-Zあたりも同じ。GTと名乗るには、一ひねり必要だと思う。「存在感が薄い」と表現すればわかって頂けるかもしれませんね。









コメント
コメントの使い方現代のFRスポーツが中古市場に存在してるって幸運、日本人は過小評価しすぎ。世界中から羨まれてるこの現状を。
ドリ車用で根本から手を入れるなら、一昔前のスポーツカーやFRセダンでも可能。しかし、ほぼ純正か、一般人が自前で弄りつつスポーツ走行楽しめるFRとなると
2010以降のものとそれ以前で圧倒的な格差があります。それ以前のは当時から所有して手のかかる所を徹底して手を入れ済じゃないと無理