本気のスポーツ走行ができて先進的、そしてアキュラで取り扱われる高級感を兼ね備えていたインテグラ。3代目からは高性能モデルのタイプRが設定され、名実ともにホンダを背負うクルマとなった。インテグラタイプR、通称インテRの初代モデルDC2型。このクルマに注がれた、ホンダの熱き魂を振り返っていきたい。
文:佐々木 亘/画像:ホンダ
【画像ギャラリー】クルマのダイエットは足から? -40kg&高剛性を実現したインテグラが凄かった(16枚)画像ギャラリー真紅のエンブレムはF1から受け継がれた魂の証
ホンダ車の中でも「TYPE R」を名乗れるのは限られたクルマだけだ。それはタイプRが、ホンダにとってサーキットに挑戦し続けてきた歴史を、正しく紡ぐためのクルマだから。
1965年のメキシコグランプリで、1,500㏄・V型12気筒エンジンを搭載した真っ白のマシンが、日本車として初めてチェッカーフラッグを受けた。その瞬間から今まで、タイプRに注がれる熱い気持ちが変わることはない。
インテグラはノーマルのままでも十分に、スポーツマインド溢れる走りを楽しめるホットなクルマだ。それが、タイプRの血を注がれればロードカーに生まれ変わる。
そして生み出されたのは、サーキットに最も近いスポーツカー。エンジンの高出力化、思い切った軽量化、専用部品の開発にハンドメイドの導入など、究極のパフォーマンスをもつ走りのカタチに進化させている。
特に1.8LのVTECエンジンは、最高出力200馬力、リッター111馬力という驚異的なスペックだ。このエンジンはインテRの特筆すべきポイントなのだが、インテRがピュアスポーツカーとして愛された理由はもう1つ。徹底的な軽量化があったからこそ、インテRは尊い存在なのである。
【画像ギャラリー】クルマのダイエットは足から? -40kg&高剛性を実現したインテグラが凄かった(16枚)画像ギャラリー高剛性と軽量化という相容れないものを両者ともに向上させる凄み
エンジンよりも速いシャシーを与えるというミッションで、まず行われたのはボディ剛性を高めることだった。アルミ製ストラットタワーバー、パフォーマンスロッドなどを採用し、質の高いボディの高剛性化を実現している。
それと同時に、シャープな走りを得るための軽量化が徹底的に行われた。そのレベルはレーシングマシン並みのもの。グラム単位まで追い込む徹底的な軽量化だ。
遮音用メルシート、ダッシュボードインシュレーターなどの快適性部品は廃止し、軽量バッテリー、アルミラジエーター、オールステンレスエキゾーストシステムの採用など、重いものを剥ぎ取り、軽量化を図れるパーツを徹底的に採用している。
さらに、オーディオやエアコン、リアシェルフもあらかじめオプションとするという徹底ぶり。フライホイール、エンジン・排気系の軽量化、ラジエーターのアルミ化、フロントストッパーブラケットアルミ化、MOMOステアリングの採用など、車両全体で27項目の軽量化を施し、ボディ剛性強化のための重量増もありながら、40kgのライトウェイト化を実現している。
運動性能に直結するバネ下重量の軽減にも抜かりはない。軽量タイプの専用アルミホイールを装着し、運動性能は磨き尽くしたとも言えるはず。
現代のクルマでは、装着しなければならないパーツが多すぎて、ここまで大幅な軽量化はできない。軽量化は、この時代に生まれたインテRだからこそできる、最高のチューニングと言えるのではないだろうか。
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コメント
コメントの使い方もっと小さくて軽い、本来の意味でのホンダらしいキレのある車を出して欲しい