■大ヒット市場に満を持して投入
2020年1月10日から幕張メッセで開幕している東京オートサロン2020にて、三菱自動車は(日本市場における最量販カテゴリーである軽スーパーハイトワゴン市場に向けて)「新型eKスペース/eK Xスペース」を出品した(世界初披露)。
【画像ギャラリー】世界初披露!! 新型eKスペース これは売れそう!!
先日発表された車種別の2019年1~12月累計販売台数によると、1位ホンダN-BOX、2位ダイハツタント、3位スズキスペーシアと、上位を「軽スーパーハイトワゴン」のモデルが占めた。今回展示された三菱の新型eKスペース/eK Xスペース(プロトタイプ)は、まだ市販前の仕様とはいえ、ほぼこのままの姿で市販される軽スーパーハイトワゴンの「本命」モデル。
最大の特徴である広大なドア開口部や室内スペースは従来型よりさらに進化しており、スライドドア開口幅は650mmで先代比95mm拡幅、室内高は1400mmとなっている。会場で見たかぎりでは、もうなんというか、めちゃくちゃ広い。
内装にも力が入っており、ダッシュボードやシート地、ステッチ、小物入れの仕上げには「SUVっぽさ」が演出されていて、軽自動車とは思えない品質を持つ。
高速道路同一車線運転支援技術(MI-PILOT)や衝突被害軽減ブレーキ、踏み間違い衝突防止アシストなど、先進安全技術もさらに進化して搭載されるという。
三菱は「本年度中の発表」と明言しており、今春、具体的には2020年3月までに発表発売される(三菱ディーラーでは見込み客への声掛けが始まっている、という情報もある)。近日中に先行予約が開始される見込みだ。
実績や市場規模から考えると、おそらく日本市場において三菱車の最量販車になるだろう。
■こだわったのは「三菱らしさ」
東京オートサロン会場でこの新型eKスペースを担当したデザインの責任者、三菱自動車デザイン本部の大石聖二氏に話を聞けたので、以下、紹介したい。
――デザインで「こだわったポイント」は?
大石聖二氏(以下、大石氏)「三菱らしさを出すことです。やはり多くのヒット車が出ているカテゴリーなので、そのなかに埋没しないよう、個性を出す必要がありました。結果的に、三菱のSUVっぽさを出すことができたと思っています。また、現行モデルまでは「eKスペースカスタム」という車名でカスタム仕様を用意していたのですが、新型から「X(クロス)」の発展ということで、「eK Xスぺ―ス」としました。そうした意図を車名に込めています」
――今回の出品車が「市販型」と言ってよいか?
大石氏「昨年(2019年)秋の東京モーターショーに出品したコンセプトカー(三菱スーパーハイトKワゴン)よりはかなり市販型に近づいています。たとえばタイヤやホイール、ルーフレールやボディカラーは市販モデルと同じ。とはいえあくまで今回のモデルはプロトタイプで、市販型そのままというわけではありません」
――三菱車のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」は、(大きいSUVにはよく似合うが)小さい軽自動車に装着するのは難しかったのではないか?
大石氏「そういうご指摘は前回(2019年3月のeK X発売時)もいただいたのですが、コンセプトが明確なので、やりやすかったです。うまくまとまっていて、理にかなったデザインになっていると思っています」
――2019年3月に新型eKワゴンとeK Xが発売された際に、多彩なボディカラーと安全装備が話題となりました。今回のeKスペースとeK Xスペースも、その部分は継承・発展しているのでしょうか?
大石氏「はい。ボディカラーは2トーンカラー(ルーフが別の色)を中心に、20色以上のバリエーションを用意していますし、先進安全技術も昨年より進化しています」
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今回は三菱の「eK」が先行して披露されたかたちとなったが、近い将来、プラットフォームを共有する日産版、「デイズルークス」も発表されるだろう。三菱・日産連合軍が、先行する王者ホンダN-BOXや対抗ダイハツタント、スズキスペーシアに挑むことになる。
今春に予定されている発表発売が楽しみだ。
文:ベストカーWeb編集部 写真:西尾タクト、ベストカーWeb編集部
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