【ハリアー、GT-R…名車続々】初期型から地道に改良!! 完熟国産車 7選

【ハリアー、GT-R…名車続々】初期型から地道に改良!! 完熟国産車 7選

 出たばかりの「新型車」に“旬”では負けても、“進化度”では改良を重ねた「熟成車」に軍配!?

 クルマで最も注目が集まるのは、フルモデルチェンジを行い、新型車が登場したばかりのタイミング。当然、その時点で最新の技術や機構が盛り込まれるだけに、話題性も抜群だ。

 でも、新車は出してからが本当の真価を問われるもの。その後、地道に改良を重ね、進化したモデルには、登場時にあったネガや初期不良が改善され、見違えるほど洗練度が上がった車種も少なくない。

 本稿では、そんな円熟の魅力を持つ国産車を7台ピックアップ。熟成されたモデルには、新型車とはひと味違った魅力がある。

文:清水草一
写真:編集部、NISSAN、MAZDA、SUBARU
ベストカー 2020年2月10日号

【画像ギャラリー】全7台!! 完熟国産車の「熟成前&熟成後」


スポーツモデルは熟成車こそ極みの味!?

■日産 GT-R/2007年発売

GT-Rは、2007年のデビュー以来、イヤーモデル制を採り、ほぼ毎年改良。写真の2020モデル「NISMO」は現行型最後の最高傑作といえる熟成ぶり

 発表から丸12年、干支ひとまわりを実現させたGT-R。長寿ぶりのみでもたいしたもんだが、GT-Rの場合イヤーモデル制で、ほぼ毎年なんらかの改良を続けてきた。

 基本的には、年ごとに徐々にパワーアップ&洗練の方向に向かってきたが、最終形といわれる2020年モデルでは、そこからさらにジャンプアップ! すさまじいばかりの熟成ぶりだ。

 まず足回り。とてつもなくしなやかになった! もはやVIPの送迎車として使っても問題ないくらい、乗り心地が劇的に向上。初期モデルのガツンガツンぶりが原始時代に感じられるほどだ。

 エンジンの進化もスバラシイ。パワーは当初の470馬力から570馬力(NISMOは600馬力)へとアップしたが、それより熟成感が高いのは、タービンのレスポンス向上だ。

 アクセルを踏めばすぐにタービンがピューンと回ってくれる、打てば響く感覚が気持ちいい!!

 これで見た目がもう一段洗練されたら言うことなかったが、それにしてもこの熟成ぶり、国産車史上最高じゃないだろうか! まさに熟成グルマのカガミ、頂点だ!

■86&BRZ/2012年発売

86も2012年の発売後、2014年、2015年の一部改良、そして2016年のマイナーチェンジと着実に走りを熟成

 日本が世界に誇る小型FRスポーツも、誕生から7年を経たわけですね。フルチェンジは2021年といわれ、まだまだ熟成が進みそうですが、3年前のビッグマイナーチェンジで走り、その他を熟成化。

 それだけにとどまらず、トヨタはGRMNやGRをリリース、スバルもSTIスポーツを追加して、プレミアム性を高めている。

 もともとこの兄弟スポーツカーは、低い速度域でも運転を楽しめるのがコンセプトだったが、熟成の方向性は本格派スポーツへの変身で、当初のコンセプトからはズレている。が、ユーザーが望んだのが、結果的にそっち方向だったということなのです。

■日産 フェアレディZ/2008年発売

フェアレディZは2008年の発売以降、2012年と2017年にマイチェンを敢行。2019年には50周年を記念した写真の「50th Anniversary」も発売

 登場からすでに11年。GT-Rの熟成ぶりと比較すると、ほぼ放置プレイに近いと非難の対象ですが、放置による熟成? で、価値を高めている……と言えなくもない。驚くなかれ。なにせ3.7L、V6の自然吸気エンジンが現役なんだから!

 現在販売されているフェアレディZ NISMOは、NISMOの文法に則ってサーキット志向に進化。等長エキゾーストでエンジンフィールも向上している。

 標準モデルもまったくの放置ではないが、現代のスポーツカーではアタリマエの高性能AT(DCTなど)の投入もなく、6MTがしっかり生存。放置プレイだからこその熟成といってもいいでしょう!

次ページは : 日産&マツダのセダンもマイチェン重ね熟成度高し!

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