3月12日に富士スピードウェイで行われた「富士ワンダーランドフェス!」。
富士スピードウェイ50周年記念のビッグイベントだけあって、当日は国内外から多くのレーシングカーが大集結。そのなかでベストカーWEBは今昔のマシン比較に注目してみた。
モータースポーツファンでなくてもわかる、レーシングマシンの今昔比較をお届けします。
文:ベストカーWEB編集部/写真:塩川雅人
フォーミュラだってこんなに形が変わった!!
フォーミュラカーといえば、流線型を描いたボディが特徴。空気の抵抗を受けないようになるべくきれいに空気を流す。
それと同時にリアの大きなウィングで地面にクルマを押し付ける力(ダウンフォース)を稼ぐ必要がある。そうしないとタイヤのグリップを有効に使えない、つまり速く走れないからだ。
画像は「富士ワンダーランドフェス!」で走行した、1976年のマクラーレンM23(上)と2011年のスーパーフォーミュラ SWIFT SN09(下)。
約35年もの年月がひらいている両車。もちろんF1とスーパーフォーミュラでは規則も時代も異なるから一概に比較できないが、この2台には大きな差がある。
まずはドライバーの頭の位置に注目。M23はドライバーの肩から上が露出しているが、SN09はヘルメットしか露出していない。
SN09はノーズが伸びたマシン形状でドライバーは足を前に放り出すスタイルで乗車するため、ギリギリまで重心を下げることができる。
またドライバーの周りにカーボンの補強材を入れるなど、安全装備の充実もこの着座位置を可能にしている。
エアロパーツではSN09のリアタイアに注目してほしい。導風板がありタイヤへの空気を整流しているが、M23ではリアタイヤがむき出しになっている。
またフロントパーツもM23は単なる1枚の板だったものが SN09では階層になっていて、コースなどの特性で細かく調整することができる。
両車の違いは風洞実験の精度向上、CADソフトでの設計、そしてシミュレーション技術の向上などによるものだ。
今日では従来よりも安全規則が厳しくなっているため、以前よりもマシンは重くなっている。それにもかかわらずこれまでより速く走ることができるのは、空気を味方につけたボディの成果でもある。
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