『頭文字D』×実車が交差! 富士で“名シーン再現”——名車FC3S/AE86/エボIII/NSXのオーナー愛で劇的演出【後編】

『頭文字D』×実車が交差! 富士で“名シーン再現”——名車FC3S/AE86/エボIII/NSXのオーナー愛で劇的演出【後編】

2025年9月13-14日に富士スピードウェイにて連載開始30周年を記念するビッグイベント「頭文字D 30th Anniversary 2Days」が実施された。全国各地から幅広世代のファンが訪れ、大いに盛り上がりを見せたこのイベントに、盛り上げ役として一肌脱いでくれたファンたちがいる。今回は、イベントのコンテンツに車両提供をしてくださったオーナーと愛車の物語をお届けしたい。

文、写真:大音安弘

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伝説のクルママンガ『頭文字D』連載開始三十周年の記念に

 富士スピードウェイを舞台に、2025年9月14日に開催された「頭文字D 30th Anniversary 2Days」のDAY2、「頭文字D World Summit 2025」。このイベントの展示コンテンツの目玉のひとつが、富士のピットで実施された「シーン再現展示」だ。コミックの名場面を背景に、実車を使った名シーンを再現するという驚きの企画。まさにコミックの3D化で、会場に訪れた多くのファンが感激し、感動し、撮影していた。そのリアルな描写と演出の主役を担ったのが、この企画のために集まってくれた『頭文字D』好きのオーナーたちと愛車たちだった。

 今回の展示では、「赤城山」、「いろは坂」、「箱根」の3つの走り屋エリアで繰り広げられた名バトルの1シーンが会場にお目見えした。以下、順を追ってこの企画のために愛車を貸してくれたオーナーたちを紹介する。

高橋涼介(RX-7 FC3S) vs. 須藤京一(ランサーエボリューションⅢ CE9A)

『頭文字D』11巻VOL.116「明暗!!」で、赤城レッドサンズのリーダー高橋涼介が、「エンペラー」の須藤京一とバトル。右コーナーで涼介のFCが京一のエボIIIを抜き去り、勝負を決めたシーンが再現されている
『頭文字D』11巻VOL.116「明暗!!」で、赤城レッドサンズのリーダー高橋涼介が、「エンペラー」の須藤京一とバトル。右コーナーで涼介のFCが京一のエボIIIを抜き去り、勝負を決めたシーンが再現されている

・つばめ。さん×1989年マツダサバンナRX-7 GT-X

涼介を彷彿させる凛々しい白のFCを愛する「つばめ。」さん。元々はクルマ好きでもなかったというのは驚きだが、今はロータリー車を愛するクルマ好きでオーナーミーティングを主催するほどに
涼介を彷彿させる凛々しい白のFCを愛する「つばめ。」さん。元々はクルマ好きでもなかったというのは驚きだが、今はロータリー車を愛するクルマ好きでオーナーミーティングを主催するほどに

 もともとクルマ好きではなかったという「つばめ。」さんと『頭文字D』の出会いは、コスプレ仲間の友人からの「面白いアニメがある」と勧められたこと。1話を鑑賞し、ドはまり。聖地巡礼で見かけたFCのカッコよさに一目惚れし、即購入を決断。半年かけて現愛車を見つけたという。

 12年ほどの付き合いとなる愛車は、1989年式の後期型となるGT-X。ボディカラーは白。社外品のアルミホイールやマフラー、エアロミラー等などが装着されていたものの、ノーマルに近く、状態もよかった。購入価格はなんと100万円。激安に思えるが、当時の相場は40万円~120万円ほどだったそう。しかも、ATからMTに換装済みの車両だったことも鑑みると、それなりにいいものだったことが伺える。

 普通免許を取得していたが、愛車もなく、5年間のペーパードライバーであったため、「納車日のショップから帰りに、どれだけエンストしたか分からない」と笑って教えてくれた。後からショップに、愛車が劇場版『頭文字D』用のエンジン音の録音に使われた車両であることを伝えられ、運命的な出会いを感じたそうだ。

 周りからは「次の車検まで乗らないでしょ」なんて言われていたというが、今ではFCなしの生活は考えられないという。当初は『頭文字D』の影響でFC好きという程度だったが、次第にクルマ好き度も高まり、今では毎年開催する120台ほどのロータリー車が集うミーティングの主催するほどに。

 今回の展示でも、普段は自分好みに仕上げている内装を涼介仕様に戻し、「レッドサイズ」のステッカーも装着してきた。きちんと『頭文字D』仕様でないとファンの人に申し訳ないという姿勢は、元コスプレーヤーとクルマ好きとしての「こだわり」に違いない。今は、愛車を通じた人との出会いも財産と感じて、クルマ好きらしいカーライフを楽しんでいるそうだ。

・「びびでら」さん×1995年式三菱ランサーエボリューションIII GSR

お子さんの誕生でエボIIIに乗り換えたという「びびでら」さん。コンパクト、パワフル、取り回しのいいクルマ選びは、前愛車であるAW11とも共通するところ
お子さんの誕生でエボIIIに乗り換えたという「びびでら」さん。コンパクト、パワフル、取り回しのいいクルマ選びは、前愛車であるAW11とも共通するところ

 お子さんが生まれたことによりエボIIIの購入を決断した「びびでら」さんは、新車からのワンオーナーだ。以前の愛車は初代MR2(AW11)だったので、4ドア車への乗り換えは必然だった。エボIIIとなった決め手は、扱いやすい5ナンバーサイズでありながら280psで4WDスポーツセダンであったこと。インプレッサではなくランエボを選んだ理由を尋ねると、「モータースポーツが好きで、ラリーは三菱派だったから」と教えてくれた。

 元AW乗りということもあり、走るのも大好きな「びびでら」さんは、ショートサーキット走行も楽しまれている。ランエボは一見ドノーマルに見えるが、それもこだわりのひとつ。デフロックや車高調、マフラーなど走りに必要となるアイテムはしっかりと装着しているのだ。もともと『バリバリ伝説』からのしげの秀一先生のファンであり、自然と『頭文字D』にも触れ、コミックからアニメまで楽しまれている。エボIIIが登場した際は、ちょっと嬉しかったそう。

 今でも走りを楽しんでいるそうで、走行距離も尋ねてみると、なんと6万kmと少なめ。ファミリーカーとしてのエボIIIの活躍が落ち着いた頃に(別の)足車も手に入れて、今では大切に乗っているとのこと。部品がないなど修理に困ることも多いが、お世話になっているショップがしっかりフォローしてくれることに感謝しているそうだ。

次ページは : 藤原拓海(スプリンタートレノAE86) vs. 小柏カイ(MR2 SW20)編

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