オジエもエバンスも勝田も凄かった! 死力をつくした真剣勝負にしびれっぱなし53万人が楽しんだWRCラリージャパン2025【PR】

オジエもエバンスも勝田も凄かった! 死力をつくした真剣勝負にしびれっぱなし53万人が楽しんだWRCラリージャパン2025

 愛知県と岐阜県で11月6日(木)〜9日(日)に開催されたWRC(世界ラリー選手権)「フォーラムエイト・ラリージャパン2025」は、最後の最後までトヨタのセバスチャン・オジエ選手とエルフィン・エバンス選手が熱すぎるバトルを繰り広げ、勝田貴元選手もドラマを見せてくれるなど、最高潮に盛り上がった。来場者の声とともに大会を振り返ってみよう。

文:ベストカーWeb編集部/写真:TGR、Red Bull

【画像ギャラリー】53万人が興奮!! WRCラリージャパン2025でトヨタはかく戦えり!(6枚)画像ギャラリー

初優勝の期待が高まった勝田貴元は3日目にデイリタイア

優勝したセバスチャン・オジエ選手(右)とコ・ドライバーのヴァンサン・ランデ選手(左)を称える豊田章男会長
優勝したセバスチャン・オジエ選手(右)とコ・ドライバーのヴァンサン・ランデ選手(左)を称える豊田章男会長

 トップドライバーが死力を尽くして4日間を走る「ラリージャパン」。初優勝への期待がかかる勝田貴元選手は2日目まで好調を維持し、トップのセバスチャン・オジエ選手とは7.9秒差の2位につけていた。

 ところが3日目午後、1本目のステージでコーナリング中にバリアに激突し、冷却システムとパワステを損傷。次のSSに向かうリエゾンで、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストン選手が必死に修復する姿がパブリックビューイングに映し出されると、「勝田がんばれ~!」という声が周囲から沸き上がった。

 もうダメかと誰もが諦めかけたが、矢作川の河川敷に設けられた特設コースで行われた土曜日の最終ステージに、勝田選手がGRヤリス ラリー1で姿を見せると、ファンから「奇跡が起きた!」「まだ行けるぞ!」「カツタ! カツタ!」と大声援が送られた。

 しかし、ドーナツターンでは大きく膨らむなど、パワステ損傷の影響は大きく、その日は結局デイリタイアとなってしまった。

 ほんの一瞬のミスで優勝争いから脱落した勝田選手だが、沿道の熱い声援に「諦めずに走り続けよう」と思ったという。

 サービスパークでは、ユハ・カンクネン代表代行に抱きしめられる姿が印象的だった。その様子はまるで父と息子のよう。また、モリゾウさん(豊田章男会長)は勝田選手に「最後までよく走ったな! 明日はファンのために走りなさい」と声をかけたという。思わずジーンとくる場面だ。

クラッシュで優勝の望みを絶たれた勝田貴元選手を抱きしめるユハ・カンクネン代表代行
クラッシュで優勝の望みを絶たれた勝田貴元選手を抱きしめるユハ・カンクネン代表代行

雨の中、オジエ対エバンスの死闘にしびれた

闇夜を音と光とスピードで切り裂く矢作川の河川敷を走る新しいSSは大迫力だった
闇夜を音と光とスピードで切り裂く矢作川の河川敷を走る新しいSSは大迫力だった

 木曜日から晴天に恵まれたラリージャパンだったが、最終日の日曜日は冷たい雨。1位オジエ選手と2位エバンス選手の差はわずか6.5秒だ。

 これまでの12戦を終えたポイントランキングは、エバンス選手が247ポイントで首位、オジエ選手が234ポイントの2位と、その差は13ポイント。

 WRCでは優勝25ポイント、2位17ポイントに加え、日曜日の成績トップ5には5〜1ポイント、さらに最終パワーステージのトップ5にも5〜1ポイントが与えられる。つまり、オジエ選手には日曜日次第で最大35ポイントを獲得できるチャンスがある。エバンス選手としてはフルアタックでオジエ選手を逆転し、ポイント差を広げてチャンピオンに向け有利に立ちたいところ。しかし、雨という条件がリスクにもなる。

 復帰した勝田選手の走りや、3位ヒョンデのアドリアン・フォルモー選手がトヨタの表彰台独占を阻止できるかなど、見どころ満載で日曜日が始まった。

 日曜日1本目でエバンス選手が5.7秒差に詰めるが、3本目ではオジエ選手がベストタイムを叩き出し、6.7秒差に広げるなど手に汗握る展開。続くSS18では8.3秒、SS19では11.5秒とリードを広げた。ここぞという時のオジエ選手の集中力はまさに鬼神のようだ。

雨にもかかわらず、ガードレールぎりぎりを攻めるオジエ選手の走りが凄い
雨にもかかわらず、ガードレールぎりぎりを攻めるオジエ選手の走りが凄い

 一方、3位を走っていたヒョンデのフォルモー選手は、SS15で霧による視界不良からクラッシュしリタイア。4位だったトヨタのサミ・パヤリ選手が3位に浮上した。勝田選手も雨の中で奮闘し、SS17とSS18でトップタイムを記録するなど、ファンを熱狂させた。

 そして迎えた最終パワーステージ。逆転を狙うエバンス選手が渾身の走りを見せるも、最後に走ったオジエ選手がわずか0.096秒差で上回り、パワーステージとスーパーサンデーともにトップ!  優勝と合わせて35ポイントを獲得し、通算269ポイントとなった。

 一方のエバンス選手は総合2位、パワーステージとスーパーサンデーも2位で、272ポイントに到達。ランキング首位は守ったものの、その差はわずか3ポイントで、最終戦「ラリー・サウジアラビア」(11月27日〜30日)を迎えることになった。

 パヤリ選手は3位でフィニッシュし、自身初の表彰台を獲得。これによりトヨタが母国開催のラリーで表彰台を独占する最高の結果となった。最後の最後までドキドキが止まらない、見どころ満載のラリージャパン2025だった。

来年、日本のスーパーフォーミュラに参戦するカッレ・ロバンペラ選手と談笑するTEAM MUGENの野尻智紀選手
来年、日本のスーパーフォーミュラに参戦するカッレ・ロバンペラ選手と談笑するTEAM MUGENの野尻智紀選手

次ページは : ラリージャパン2025を観客やスタッフはどう感じたのか?

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

2026年に登場するクルマたち!「レストモッド」の世界へようこそ『ベストカー1.26号発売!』

2026年に登場するクルマたち!「レストモッド」の世界へようこそ『ベストカー1.26号発売!』

ベストカー1.26号 価格650円 (税込み)  カレンダーも残りあとわずか。今号が202…