「これ市販期待していい?」インテグラ「タイプS」がオートサロン出展の意味をホンダに直撃

「これ市販期待していい?」インテグラ「タイプS」がオートサロン出展の意味をホンダに直撃

 北米専用モデルとして展開されてきたアキュラ「インテグラタイプS」が、東京オートサロン2026のホンダブースに姿を現しました。なぜ、あえて日本のショーに出展されたのか。ただの参考出品なのか、それとも日本導入への布石なのか。担当者の言葉から、その本音を探ります。

文:吉川賢一/写真:HONDA、ACURA、エムスリープロダクション

【画像ギャラリー】東京オートサロン2026に「タイプS」が出展されたアキュラの「インテグラ」(11枚)画像ギャラリー

シビックタイプRよりも「日常の使いやすさと快適性」を重視したモデル

 「インテグラタイプS」は、かつて日本でも高い人気を誇った「インテグラタイプR」の系譜を引き継ぐモデルです。現在は、ホンダの北米向けプレミアムブランドであるアキュラのラインアップとして販売されています。

 日本で販売されていたころは、速さを追求するためには快適性さえも犠牲にする、潔い思想のクルマでしたが、現代のインテグラタイプSは、速さと快適性を高次元で両立したプレミアム小型スポーツハッチバックとして仕立てられています。

 今回展示されたタイプSは、FL5型シビックタイプRと同じ2.0L VTECターボエンジンを搭載し、最高出力320ps、最大トルク420Nmを発揮。トランスミッションは6速MTのみという、走りにこだわった構成です。一方で、ボディサイズはシビックタイプRよりひと回り大きく、後席空間や荷室容量にも余裕があります。

 内装も、タイプRのストイックな雰囲気とは異なり、ホワイトレザーを取り入れた落ち着いた仕立て。装備も充実しており、「走りを楽しみたいが、日常での使いやすさや快適性も重視したい」という米国のプレミアム層を強く意識したモデルとなっています。

ロー&ワイドなプロポーションと上級感のある佇まいが特徴。シビックタイプRとは異なる方向性のスポーツモデルであることが、ひと目で伝わってくる
ロー&ワイドなプロポーションと上級感のある佇まいが特徴。シビックタイプRとは異なる方向性のスポーツモデルであることが、ひと目で伝わってくる
ペンタゴン形状のフロントグリルなど、アキュラ共通のデザイン言語を採用。日本ではまだ新鮮に映るディテールだ
ペンタゴン形状のフロントグリルなど、アキュラ共通のデザイン言語を採用。日本ではまだ新鮮に映るディテールだ

価格は約836万円 高価だが一定の説得力はある

 北米でのインテグラタイプSの価格は5万2900ドル、日本円で約836万円です。北米仕様のシビックタイプR(4万5895ドル/約725万円)と比べると、価格差は約110万円あり、インテグラタイプSはやや高めの設定といえます。

 ただ、インテグラタイプSは、シビックタイプRに対して全長が130mm長く(ホイールベースは2735mmで同じ)、内装の質感やヘッドアップディスプレイ、高性能オーディオといった装備内容も充実しており、両車はそもそもキャラクターの異なるクルマ。

 仮に日本導入となった場合も、(装備の見直しや為替の影響もありますが)700万円後半から800万円前後が現実的な価格帯になると思われます。かなり高価なモデルになってしまいますが、「タイプRほど尖っていない高性能FFスポーツハッチバック」と考えれば、一定の説得力はあるのではないでしょうか。

ホワイトレザーを取り入れたインテリアは、走り一辺倒のタイプRとは異なる落ち着いた雰囲気。日常での使いやすさも重視されている
ホワイトレザーを取り入れたインテリアは、走り一辺倒のタイプRとは異なる落ち着いた雰囲気。日常での使いやすさも重視されている

ホンダは日本でのアキュラの受け止められ方を探っている!??

 会場で話を聞いたホンダ関係者は「反響次第で日本導入を検討する」としており、「展示したこと自体が、前向きな意思表示」ともコメントしていました。ホンダは、昨年秋のジャパンモビリティショー2025でもアキュラの電動SUVである「RSXコンセプト」を出展しており、この際も同様に「反響次第で検討する」としていました。こうした流れをみると、ホンダは、日本市場におけるアキュラブランドの受け止められ方を、段階的に探っているように感じられます。

北米専用モデルであるインテグラタイプSが、日本のイベントに展示された事実は大きい。今後の反響次第では、展開に変化が生じる可能性もありそうだ
北米専用モデルであるインテグラタイプSが、日本のイベントに展示された事実は大きい。今後の反響次第では、展開に変化が生じる可能性もありそうだ

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 インテグラタイプSの出展は、単なる話題づくりにとどまらず、ホンダが次の展開を考えるうえでのひとつの判断材料となっているのでしょう。トヨタが北米生産モデルを日本へ導入することを決めたように、ホンダも新たな選択肢を模索しているのかもしれません。今後の反響次第では、具体的な動きが見えてくる可能性も十分にあるのではないでしょうか。

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