2代目アテンザに乗り続けていた編集部員の知り合いが、ディーラーから驚きの連絡を受けた。8月1日からルールが変わるため、次回車検は受からないというのだ。理由はヘッドライト。実は同日から、いままで猶予されていた前照灯の基準が見直される。車検の現場で慌てないために、その見直しの中身と対策を覚えておくべし!
文:ベストカーWeb編集部/写真:四国運輸局、Adobestock(トビラ写真=Shutter81@Adobestock)
【画像ギャラリー】ハイビームとロービームの基準がこれだ!(6枚)画像ギャラリーついに猶予期間終了! 2026年8月1日から全国で完全実施へ
愛車家にとって避けては通れないイベント、それが車検である。これまで「なんとかなるだろう」と楽観視されていたヘッドライトの検査基準だが、いよいよ2026年8月1日から、逃げ場のないガチンコ勝負が始まる。
もともと、平成10年(1998年)9月1日以降に製作されたクルマは、走行時の安全性を考慮して「ロービーム(すれ違い用前照灯)」で検査を行うことが原則となっていた。しかしこれまでは、ロービームで基準に達しない場合でも、ハイビーム(走行用前照灯)で測定して合格すればOKという「経過措置」がとられていたのである。
この救済措置が、2026年8月1日をもってついに完全廃止される。実は、北海道や東北、中国地方など一部の地域では先行して実施されていたのだが、関東や中部、近畿といった人口の多いエリアでも、この夏からいよいよ「ロービーム一発勝負」へと切り替わる。これにより、これまではハイビームの明るさでなんとかなっていたクルマたちが、次々と車検落ちの危機に瀕することになる。
判定基準はシビア! ロービーム検査の具体的な中身とは
では、具体的に何がチェックされるのか。検査員やテスターが見ているのは、主に「光度(明るさ)」と「光軸(向き)」の2点である。
まず明るさについては、1灯あたり6400カンデラ以上が必要となる。かつてのハイビーム検査では1万5000カンデラ以上が求められていたため、一見するとハードルが下がったように思えるかもしれない。しかし、ロービームは対向車を眩惑させないよう光をカットしているため、測定ポイントでこの数値を出すのは意外と難しいのだ。
さらに厄介なのが光軸だ。ロービーム検査では「カットオフライン(光を遮る境界線)」が明瞭に出ているか、そのカットオフラインを道路左側に対して緩めていく屈折点である「エルボー点」が規定の範囲内にあるかが問われる。具体的には、10メートル先のスクリーンにおいて、エルボー点が左方向に27cm以内、右方向に10cm以内、上下方向にもミリ単位の精度で収まっていないと不合格となる。この境界線がぼやけていると、テスターが「測定不能」と判断し、不合格の烙印を押されてしまう可能性が高まるのだ。
あなたの愛車は大丈夫? 車検落ちしやすい要注意なクルマ
ここで心配になるのが、どんなクルマが不合格になりやすいかという点だ。筆者の知人のように、10年以上大切に乗っているモデルや、カスタマイズを楽しんでいるクルマは特に注意が必要である。
最大の敵は、ヘッドライトレンズの「黄ばみ」と「曇り」だ。ポリカーボネート製のレンズは紫外線の影響でどうしても劣化する。表面が白濁したり黄色く変色したりすると、内部の光が乱反射してしまい、カットオフラインが消失する。これでは、どんなに高性能なバルブを入れていても不合格は免れない。
次に危ないのが、格安の社外LEDバルブやHIDキットに交換しているケースだ。最近のLEDバルブは「爆光」を謳うものが多いが、発光点の位置が純正バルブと数ミリずれているだけで、配光がバラバラになってしまう。明るさは十分でも「光軸が出ない」という理由で落とされるパターンが後を絶たない。また、長年の振動で内部のリフレクター(反射板)が焼けていたり、光を反射する銀鏡面が剥がれたりしている経年劣化車両も、光量不足で不合格になる可能性が極めて高い。









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