かつてMT車に親しんだおじさん世代にとって、運転の楽しさを再発見できるのが“MT車”。今回は、MT車にもう一度乗りたいと考える50代以上のおじさんに、ボケ防止にもなるおススメのシフトフィールが気持ちいいMT車を選んでみた!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トビラ写真(maskin@Adobe Stock)
なぜMT車に乗るとボケ防止につながるのか?
内閣府によると、65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率の将来推計について、2012年は認知症患者数が462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人だったが、2025年には約700万人、5人に1人になると見込まれている。
高齢運転者による交通死亡事故の人的要因(警察庁、2022年)をみると75歳以上の運転者はハンドル等の操作不適による事故が最も多く、次いで内在的前方不注意(漫然運転等)、安全不確認の順に発生している。
一方で、75歳未満の運転者では内在的前方不注意、安全不確認が比較的多く発生している。さらに,ハンドル等の操作不適による事故のうちブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は75歳未満では死亡事故全体の0.7%に過ぎないのに対し,75歳以上では5.9%と高い割合を示している。
こうしたデータを頭に入れつつ、マニュアル車の運転はボケ防止になるのだろうか? 実際、「脳トレ」の第一人者である東北大学の川島隆太教授らの研究でも実証されている。
引用させていただくと、MT車の運転が脳に良い理由は以下の通り。
・MT車はクラッチ操作、ギア操作、アクセルワーク、周囲の状況確認を同時に行うことで、脳の前頭前野が活性化
・適度な緊張感と判断力: 状況に応じて最適なギアを自ら判断・選択するため、受動的なAT車よりも脳の認知機能に良い負荷がかかる
・川島教授の研究によると、ギア付きの乗り物(バイクやMT車)を趣味として定期的に運転することは、メンタルヘルスや認知機能の維持に顕著な効果があるとされている
実際、筆者の田舎の農家では軽トラを運転しているおっちゃんはボケにくいという話をよく聞く。新車販売全体に占めるMT車比率はわずか1~2%と言われているが、MTを選ぶ価値は確かにあるのだ。
MTがボケ防止になる一番の理由は、「運転が楽しい」から。AT車に慣れた今こそ、自分の意思でギアを選び、クラッチを踏んでシフトチェンジする感覚は新鮮だからだ。
そもそも左足でクラッチを踏んで、アクセル操作とともに微妙な塩梅でつながる操作が、Dレンジに入れて、アクセル&ブレーキを踏むだけの簡単なATやCVTと、格段に違う。
下手をすると、エンストしてしまって動かなくなるMTのあの運転感覚は、時には、面倒くさい、大渋滞ではつらいということもあるが、ラクなことをしては痩せないダイエットと同じで、頭と身体の神経を使うMTはボケ防止になると思う。スムーズなMT操作ができなくなったら免許返納を考えるのもありではないだろうか。
ボケ防止にお薦めのMT車=N-ONE RS
トップバッターは、Nシリーズのなかでもクルマ好きの心をくすぐるホットハッチのホンダN-ONE RS。ナンバー付きのワンメイクレース「N-ONEオーナーズカップ」が2014年から毎年開始されるほど、走りに徹した軽自動車だ。
最近、登場したスーパーONEも走るとけっこう楽しいが、やはりすべて操るという点ではN-ONE RSがお薦めである。
N-ONE RSの6MT車のシフトフィールがカチッとしていてダイレクト感があり、とにかく気持ちいい。もちろん、コンパクトカーに比べると660㏄ターボなので絶対的なトルク感が乏しいが、ヴォン、ヴォンというエキゾーストノートを奏でながら、めいっぱいエンジンを回し、矢継ぎ早にシフトチェンジするこの感覚は1980年代のボーイズレーサーを思い起こさせる。
リッターカーのスポーツモデルと比べて絶対的なエンジントルクが小さい分、速度を上げるには、2速にダブルコーンシンクロ、3速にカーボンシンクロを採用。
2、3、4速と、矢継ぎ早にシフトチェンジをする必要はあるものの、ギアレシオをS660と同じくクロスレシオ化したことにより、ワインディングでは小気味よく軽快に走ることができる。
操作のしやすさを追求したインパネシフトノブは、S2000ベースの専用デザインというホンダのこだわりもおじさんにはササるのではないだろうか。
しかも、軽のMT車として初となるACCとLKASを採用。マニュアル車最大の懸念である「坂道発進」が、E-PKBのオートブレーキホールド機能によって安全・安心にできるのもおじさん世代にとっては嬉しいポイント。




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