「エアコンをつけると燃費が悪くなる」という話を耳にして、気になっている人も多いのではないだろうか。実際、エアコンの使用が燃費に与える影響は少なくない。しかし、正しい知識と運転の工夫さえあれば、快適さと省燃費の両立は十分に可能である。今回は、夏に実践できるエコ運転のコツを詳しく紹介していきたい。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(メイン画像=ponsulak)
【画像ギャラリー】その設定で大丈夫!? エアコンの燃費対策&メンテナンスのポイントを写真で確認!!(8枚)画像ギャラリーエアコンが燃費に与える影響とは
まず押さえておきたいのは、エアコンがなぜ燃費を悪化させるのかという仕組みである。カーエアコンの冷房は、エンジンの動力を使ってコンプレッサーを駆動し、冷媒を圧縮・循環させることで冷気を作り出している。つまりエアコンを稼働させるということは、エンジンに追加の負荷をかけているということであり、その分だけ燃料を余計に消費することになるのだ。
一般的に、エアコンの使用によって燃費は1〜2割程度悪化するといわれている。特に猛暑日にエンジン始動直後から強冷房をかけた場合や、渋滞などでエンジン回転数が低い状態が続く場合には、燃費の悪化がより顕著になりやすいのだ。
とはいえ、これは「エアコンを使わなければ良い」という単純な話ではない。熱中症のリスクや運転中の集中力低下を考えれば、真夏にエアコンを我慢することはむしろ危険である。重要なのは、エアコンの使い方を工夫し、無駄な負荷を減らすことだ。
エコ運転のコツはコレ
1.乗車前のひと工夫
炎天下に駐車した車内は50度を超えることも珍しくない。この状態でいきなりエアコンを強くかけると、車内温度を下げるためにコンプレッサーはフル稼働し、燃費への影響も大きくなる。
そこで、乗車前にドアを開けて車内の熱気を逃がしたり、数秒間窓を開けて走行することで熱気を排出したりするだけでも、その後のエアコンの負担を軽減できる。サンシェードや遮熱フィルムを活用し、そもそも車内温度を上げにくくしておくことも効果的な対策だ。
2.設定温度と風量の見直し
エアコンの設定温度を必要以上に下げすぎないことも重要なポイントだ。設定温度を1度上げるだけでも、コンプレッサーの負荷は軽減され、燃費改善につながる。目安としては25〜28度程度に設定し、風量で体感温度を調整すると良い。
また、外気導入と内気循環の使い分けも意識したい。走り出してしばらくは内気循環で効率よく車内を冷やし、車内が十分に冷えたら外気導入に切り替えることで、コンプレッサーの稼働を抑えつつ快適な環境を維持できる。最近のクルマでは、内外気循環の切り替えもオートエアコンで行ってくれるから、そこはエアコン任せでもOKだ。
3.走行速度とエアコンの関係
一般道でのゆったりとした走行では窓を開けて自然の風を取り込む「自然通風」も選択肢になり得るが、時速80kmを超えるような高速走行では、窓を開けることによる空気抵抗の増加がエアコン使用時以上に燃費を悪化させるとされている。
したがって、市街地の低速走行時は窓開けや送風の活用、高速道路など速度域が高い場面ではエアコンを適切に使うというように、走行シーンに応じて使い分けることが賢い選択といえるだろう。
4.加減速を穏やかに
エアコンの使い方だけでなく、運転操作そのものを見直すこともエコ運転には欠かせない。急発進や急加速はエンジンに大きな負荷をかけ、燃料を余計に消費する最大の要因のひとつである。
加速時にはアクセルをゆっくりと踏み込み、車間距離を十分にとって早めにアクセルを緩めることで、無駄な加減速を減らせる。ただし、発進時はある程度の速度が出るまではしっかり加速することも重要。
信号の変わり目を予測し、惰性走行をうまく取り入れることも、エアコン使用時の燃費悪化を相殺する有効な手段となる。
5.定期的なメンテナンス
見落とされがちだが、エアコンフィルターの汚れやエアコンガスの不足も燃費悪化の原因になる。フィルターが目詰まりしていると送風効率が落ち、設定温度に達するまでに余計な時間と負荷がかかってしまう。
定期的な点検・交換を行うことで、エアコン本来の性能を発揮させ、結果的に燃費の改善にもつながる。あわせてタイヤの空気圧が適正に保たれているかどうかも、転がり抵抗による燃費への影響が大きいため確認しておきたい。
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