2026年7月16日、日産は新型「エルグランド」を発表し、同日より発売を開始した。3代目となる現行E52型の登場が2010年8月だから、実に約16年ぶりのフルモデルチェンジである。昨年のジャパンモビリティショー2025で先行公開されて以来、この日を待ちわびていたファンも多いはずだ。やっと正式発表です。待ってたぞ!! 新型エルグランドは第3世代「e-POWER」と電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を全車に搭載し(つまり全車ハイブリッド)、価格は689万7000円から。案外抑えた値付けで、ライバルを意識していることが伺える。日産のフラッグシップミニバンは、どこまで進化したのか。発表されたリリースをもとに、その中身を整理していく。
文:ベストカー編集局長T、画像:日産自動車
【画像ギャラリー】案外「和風」!?? 日産エルグランド画像一覧(21枚)画像ギャラリーデザインコンセプトはまさかの「リニアモーターカー」!?
新型エルグランドのデザインコンセプトは「The private MAGLEV」。日本語にすれば「リニアモーターカー」だ。リニアのスピード感と威風堂々とした佇まいを融合させた、ジャパンフラッグシップにふさわしいデザインを狙ったという。
現行型からサイズを拡大したエクステリアは、日産のデザインコンセプト「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を具現化したもの。フロントグリルは日本の伝統工芸「組子」をモチーフとし、シグネチャーランプへと連続する設えに加え、横一文字のリアコンビランプにも同じ組子パターンを配している。ボディカラーは全5種類。モノトーン4色に加え、富士の黎明を切り取ったという新色「FUJI DAWN -フジドーン-」と、高貴さを象徴する色から着想した新色「至極 -シゴク-」を組み合わせたプレミアム2トーンが目を引く。
インテリアは「特別なプライベートラウンジ」を目指して開発された。国内モデル初となる14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイを採用し、木目調パネルと一体化したシームレスな静電式スイッチ、最大64色の間接照明で上質かつ先進的な空間を演出。シートは全席にゼログラビティシートを採用し、2列目は大人でも寝返りが打てるほどの幅を確保。助手席と2列目左右席の3席でオットマンの同時使用も可能だ。BOSEの22スピーカープレミアムサウンドシステム(G e-4ORCEにメーカーオプション)を選べば、車内はまるで映画館のような音響空間になるという。
全車が第3世代e-POWER×e-4ORCEの4WD!!
パワートレインは第3世代「e-POWER」に一本化。効率を高めた発電特化型エンジン(ZR15DDTe)と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品をひとつにまとめた5-in-1電動ユニットで構成され、静粛性と燃費性能を大幅に向上させたうえで、100%モーター駆動ならではの力強く上質な走りを実現したという。
駆動方式は全車4WDで、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」も進化。従来のモーターとブレーキの統合制御に加え、リヤモーターのトルクを積極的に活用することで、気持ちのよいコーナリングを狙った。さらに走行シーンに応じて4輪の減衰力を可変するインテリジェント ダイナミックサスペンションを搭載し、ECO/STANDARD/SPORT/COMFORT/SNOW/PERSONALの6つのドライブモードを用意する。
静粛性への注力も見逃せない。アクティブ・ノイズ・コントロールは、エンジンからの騒音に加えてロードノイズも低減する機能としては世界初だという。停止直後の車両の揺れ動きを抑えるスムースストップ機能も採用し、「グランドツーリング体験」を標榜するだけの内容が揃っている。
プロパイロット2.0も設定!! 価格は689万7000円から
運転支援も充実だ。X e-4ORCEには「プロパイロット」を、G e-4ORCEには渋滞時ハンズオフモードと車線変更支援機能などが付く「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を標準装備。さらにG e-4ORCEには、高速道路での手放し運転を可能にする「プロパイロット2.0」をオプション設定した。渋滞時には時速50km以下でのハンズオフ走行が可能となったほか、ウインカー操作による車線変更支援(時速60km〜)にも対応する。メモリー機能付きの「プロパイロット パーキング」も用意される。
使い勝手の面では、Qi2.0対応のワイヤレス急速充電器(スマートフォン2台同時充電可)や100V AC電源(1500W)を3つ装備。7名乗車の状態で機内持ち込みサイズのスーツケースを7個積載できる大容量ラゲッジも確保した。NissanConnectはGoogle搭載となり、本日からは家族の運転状況をスマートフォンに通知する新サービス「みまもりドライブ」も追加されている。
発表会で、エルグランド担当の日産自動車チーフプロダクトスペシャリスト・中村智志氏は、「歴代最高級、最高峰の品質と走行性能を持つエルグランド、ぜひ乗ってみてください」と胸を張った。
気になる価格(消費税込み)は、X e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円。約16年分の進化を詰め込んだ新生フラッグシップが、アルファード/ヴェルファイアが君臨するLクラスミニバン市場にどう食い込むか。今後の動向に注目したい。
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