MT車全盛だった昔は、まわりから「そんな操作はクルマを壊すよ」とよく言われた。だがAT車全盛の現代は、クルマを壊す操作とはどんな操作なのかもよくわからない。そこで今回はMT車の寿命を縮める操作について。
文:山口卓也/写真: 写真AC
【画像ギャラリー】長く乗り続ける人が避けるNG操作とは?(5枚)画像ギャラリー信号待ちでクラッチペダルを踏みっぱなし
かつてのMT車(今でいう旧車)では、停車から瞬時にスパッと1速に入らないクルマやクラッチの切れが悪いクルマもあったので、クラッチペダルを踏みっぱなしで信号待ちする人は一定数いた。
そんな理由か、今でも信号待ちで1速に入れて(もしくはニュートラルで)クラッチペダルを踏みっぱなし……という人がいる。もしかしたらクルマの「クセ」を知った上での行為かもしれないが……。
クラッチペダルを踏んだままのクルマの状態は、エンジンの動力を切り離すために「レリーズベアリング」というパーツがクラッチカバー(ダイヤフラムスプリング)に押し付けられ、エンジン回転に合わせて回転している状態。
当たっていてもベアリングが正しく作動していれば本来は問題ないが、摩擦によってベアリングが損傷しているとクラッチカバー側が異常摩耗したり、ベアリング自体が焼きつきを起こしたりすることがある。
よって、MTの愛車を大切に思うなら、信号待ちではギアはニュートラルにシフトし、クラッチペダルは踏まない。シフト操作後はすぐに左足をクラッチペダルから離してフットレストに置くクセをつけるようにしたいもの。
シフトノブに手を置きっぱなし
そもそもシフトノブは、操作性を考えて手を置きやすい場所に配置されている。
そして状況によってMT車は頻繁なシフト操作が必要なこともあり、つい手をシフトノブに置きっぱなし……なんて人もいる。「置いているだけなのに悪影響があるの?」という人もいるだろうが、実はこれもやめておいたほうがいい。
手がシフトノブにただ触っているだけなら、シフトノブはスプリングによってニュートラル位置にあるが、走行中の加減速やコーナーなどで少し手に力が加わるとギアはほんの少しだけつながった状態になる。
また、走行中のシフトノブはわずかに振動しているが、フリーの状態で振動することで各パーツ間の摩擦を抑えている。だが、手を置くことで各パーツ間に微妙な摩擦を生み、パーツの摩耗が進行してしまう。
さらにハンドルを片手で操作することになり、安全運転上も薦められた行為ではないことを覚えておいてほしい。
【画像ギャラリー】長く乗り続ける人が避けるNG操作とは?(5枚)画像ギャラリー発進で必要以上に「半クラ」を使う&一気にクラッチをつなぐ
発進時に必要以上に半クラ(クラッチを少しだけつないだ状態)を使うと、クラッチ板の異常発熱や摩耗を早めてしまうことは多くの人が知っている。
クラッチ板の摩耗が進むと、アクセルをグッと踏んでもスピードの上がり方が遅くなったり、さらに摩耗が進むと上り坂も登れなくなるなど、まともに進むことすら不可能になる。
よって、クラッチ板の摩耗を抑えるためにシフト時のクラッチ操作はゆ〜くりとギアをつなぐよりはある程度「スパッ!」とつないだほうがいいが、逆にエンジン回転が高いのに「ガツン!」と大きな衝撃を感じるほどの急なつなぎ方も×。
衝撃を感じる状態とは、ミッション内のギアやクラッチスプリングなどの損傷を引き起こしかねない状態だから……。








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