なにかとBYD新型ラッコが注目されているが、スズキも軽EV市場(乗用モデル)に乗り出した。一発目はeスカイというモデル。スライドドアではなくヒンジドアで勝負を仕掛けてきた。さすがは我らがスズキで軽自動車らしい仕上がりなのだ。しかも乗ってみると、これがまたいいのだ!!
文:国沢光宏/写真:森山良雄
【画像ギャラリー】まさに「こういうのでいいのよ!」なeスカイのディテールを大公開! 運転席のデザインもオシャレだぞ!!(17枚)画像ギャラリー黒船来航の新時代にいち早く反応したのはスズキだった!
さすがスズキですね、と思った。BYDラッコは黒船である。ちなみに黒船って鎖国していた江戸幕府の目を醒ましてくれたと言う点で、有難い存在だったと思う。翻って直近の日本人の大半と言えば「電気自動車の時代などこない」と井の中の蛙状態。合わせて茹でガエルにもなっている。正しく江戸時代です。ラッコを見ても「売れるワケない!」。けれどスズキは違った。
ラッコの情報を入手し「これはマズい!」。相当の危機感を持ったようだ。ある程度予想していたらしいけれど、価格&詳細スペックが判明するや販売部門は大きな判断を迫られることになる。価格ですね。ヒンジドアでスライドドアのラッコより高ければ売れないと考えたのだろう。そこからラッコの評価など入念に調査。スズキ、軽自動車の売れ行きは価格で決まることを知っている。
当然ながらSAKURAやN-ONE:eの売れ行きも調査したことだろう。結果「最も高いグレードが売れ筋になる。ラッコより安くなければ勝負にならない」となったようだ。ここまで読んで「価格もさることながら内容でしょう!」と思う人も多いんじゃなかろうか。もちろんハードだって重要。ということから開発担当にいろんな面から突っ込んでみた。結論から書くと「いいね!」。
どうしちゃったのスズキ!?
まず電気自動車の性能を決定する電池。eビターラで知見を深めたのだろう。現時点で最も適当と思われる”燃えにく長寿命”のBYD製LFP(リン酸鉄リチウム電池)を採用してきた。電池寿命は余裕で50万kmを超える。しかも回生能力が三元系リチウムより優れているため、電池容量26kWhながら航続距離310kmと、36kWh搭載するラッコの320kmに迫る。電費がいいのだった。
驚いたことに車体は新開発だ。スズキのことだから開発費用削減のため既存のプラットフォームを使っているのかと思いきや、全く新しいという。当然ながら電池ケース回りを補強するという電気自動車の文法通りの設計になっており、後述するが結果的にボディの剛性感を大幅に向上させている。試乗すると「スズキとは思えない!」というくらい上質な乗り心地である。
さらにスズキらしくないな、と思ったのはリアのシートベルト。日本の場合、後席の衝突安全基準が事実上存在しない。よってスズキは海外向け車両がない軽自動車の後席に単純な低コストのELR式を採用している。電気自動車もコスト重視だろうと聞いてみたら何と! 売れ筋になると思われる上級グレードはプリテン式(衝突と同時にシートベルトの緩みを巻き取る)を採用したという。
スズキ、どうしちゃったんでしょ(笑)。
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