2023年のジャパンモビリティショーで、トヨタ車体が世界初出展した「X-VAN GEAR CONCEPT」。ノア/ヴォクシーと同じ全長のボディに、ミニバンの広さとSUVの力強さを組み合わせた、まさに「ヴォクシークロス」を思わせる一台でした。
しかし、発表から約3年が経過した現在も、市販化に関する続報はありません。クロスバンギアは、ショーだけの提案で終わってしまうのでしょうか。その特徴を振り返りながら、いまこそ市販化が求められる理由を考察します。
文:吉川賢一/写真:トヨタ車体、トヨタ
【画像ギャラリー】こんなの絶対売れるでしょ!! SUV仕様も似合いそうなトヨタ「ノア/ヴォクシー」(21枚)画像ギャラリーノア/ヴォクシーと同じ全長にSUVの力強さを凝縮
「X-VAN GEAR CONCEPT(以下、クロスバンギア)」を出展したトヨタ車体は、トヨタグループ内でノア/ヴォクシーやアルファード/ヴェルファイア、ランドクルーザーなどの開発・生産を担う中核メーカーです。同社はジャパンモビリティショー2023において、「すべての“はこぶ”をミライへ」をテーマに、商用バンや乗用ミニバンの可能性を示すコンセプトカーを出展しました。
そのなかの一台がクロスバンギアです。「多様化するライフスタイルに合わせ、すべての人が人生を楽しむ次世代のキャブワゴン」として企画されたモデルで、「乗用ミニバンの大空間とSUVのアクティブスタイルを両立した新しいカテゴリー」を標榜していました。
ボディサイズは、全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mm。3列シートを備え、乗車定員は6名です。この4695mmという全長は、現行型のノア/ヴォクシー(4695×1730×1895、2WD)とまったく同じ。全幅はクロスバンギアのほうが90mm広く、全高は40mm低く抑えられています。
室内寸法は、室内長2965mm×室内幅1550mm×室内高1340mm。ノア/ヴォクシー(2805×1470×1405)に対して室内長は160mm、室内幅は80mm上回る一方、室内高は65mm低い設定です。
エクステリアは、垂直近くまで立てたフロントガラスと水平基調のボンネットにより、堂々たる力強さを演出。張り出したフェンダーや樹脂調の前後バンパー、大径タイヤも組み合わせられ、一般的なミニバンとは異なるタフな印象に仕上げられていました。
細身のヘッドライトと横一文字のフロント造形は先進性も十分。現行ヴォクシーの持つ押し出しの強さをSUV方向へシフトさせたデザインは、まさに市販版「ヴォクシークロス」の登場を予感させる仕上がりでした。
ピラーレスの大開口ドアと多彩なシートアレンジ
機能面における最大のトピックは、助手席側に採用されたBピラーレス構造の大開口ドアです。前席側のリンク式ドアと後席側のスライドドアが前後へ大きく開くため、自転車や長尺の釣り竿といったギア類もサイドから難なく積み込めます。
室内はソファ調のシートや明るいカラーリング、大型ガラスルーフにより、リビングのようにくつろげる開放的な空間を創出。助手席の反転機能や、2列目シートをテーブルとして活用するモードなど、用途に応じて6種類のシートアレンジが可能です。
ミニバンのユーティリティを保ちながら、SUVのアクティブな世界観を取り入れたこの提案は大きな反響を呼びましたが、発表から約3年が経過した現在も、トヨタおよびトヨタ車体から市販化に関するアナウンスはありません。


























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