自動車整備を学ぶ学生が、なんとAI自動運転に挑戦している。今回は当事者である日産栃木自動車大学校の出川貴久さん自身が、その舞台裏をレポートしてくれた。驚くことに出川さん、スタート時はプログラミングなんてまったくの未経験。それがわずか2年で決勝常連の強豪チームへ! いったい何をどう学び、ここまで成長したのか!?
文:出川 貴久(日産栃木自動車大学校)/写真:日産栃木自動車大学校
【画像ギャラリー】自動車の未来が先行体験できる専門学校生の姿を見て!(8枚)画像ギャラリープログラミング未経験から決勝戦の常連に!
僕たちは、日産栃木自動車大学校で自動車整備を学んでいます。クルマの仕組みを理解し、状態を確かめ、適切に整備するための知識と技術を身につけています。
そんな日々の学びとともに、学生チーム「NATC Tochigi drive LAB」として挑戦しているのが「自動運転AIチャレンジ」です。
2025年大会ではシミュレーションによる予選を通過し、実車を走らせる決勝にも出場。プログラミング未経験から始め、予選3位、決勝4位という結果を残しました。そして2026年大会でも決勝に進み、ベスト4まで進出することができました。
クルマの整備を学ぶ僕たちは、自動運転にどう向き合い、どんな作業をしているのか。初回となる今回は、挑戦することになったきっかけと、2025年大会で実際に取り組んだことを紹介します。
クルマとテクノロジーへの興味から、自動運転へ
僕が自動運転に取り組むきっかけになったのは、クルマとテクノロジー両方への興味でした。
もともとクルマや運転が好きで、以前からビデオゲーム「グランツーリスモ」の競技にも取り組んでいました。新しい技術にも関心があり、自動車技術会のウェブサイトを見ていたときに、自動運転AIチャレンジを知りました。
僕は2023年から2年連続で、全国都道府県対抗eスポーツ選手権に青森県代表として出場。「グランツーリスモ」のオンラインタイムトライアルではアジア1位を記録した経験もあります。
そんな競技経験を通して、クルマの動きを細かく考えるようになりました。
さらに、マツダのeスポーツ活性化プロジェクト「バーチャルからリアルへの道」に選抜され、筑波サーキットで実車を走らせる機会もありました。
クルマを自動で走らせる仕組みに自分も関わり、それを実車で試せる。自分で運転する楽しさに加えて、そんな挑戦もしてみたいと思いました。
クルマが好きで、もっと知りたい。その興味が参加への出発点になりました。
「自動運転AIチャレンジ」って何をするの?
自動運転AIチャレンジは、公益社団法人自動車技術会が主催する大会です。僕たちが参加した2025年、2026年大会は、オンラインのシミュレーションで行う予選と、自動運転プログラムを搭載したEVカートを走らせる決勝で構成されていました。
予選では、仮想空間のコースを6周する所要時間を競います。コースから大きく外れずに規定の周回を走り切り、そのうえで、どうすればタイムを縮められるかを考えます。
2026年大会では、4台の車両が同じコースを同時に走行する形式となりました。単純な速さだけでなく、ほかの車両との接触を避けながら、できるだけ多くの周回を重ねることも重要です。
周囲の車両を意識しながら、どこで減速するのか、どのような進路を選ぶのか。速さだけではなく、状況に応じた判断も求められます。
つまり、自動運転AIチャレンジは、ただ「自動で走ればいい」という大会ではありません。速さ、安定性、周囲の車両との関わり方まで含めて、どうクルマを走らせるかを考える大会なのです。
参加にあたって、すべての仕組みをゼロから開発する必要はありません。大会では、自動運転ソフトウェア「Autoware」をもとにした開発環境が用意されています。そのプログラムの設定値を調整したり、機能を改良したりしながら、目指す走りに近づけていきます。
どのような経路を、どのくらいの速度で走らせるか。そのためにプログラムをどう調整するか。走っているクルマを観察し、その走りをつくる仕組みを考えることが、取り組みの中心です。
僕たちは研究チームではありませんが、自分たちの強みを活かして競技に挑戦する。その姿勢を大切にしています。











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