愛車のメンテには、ディーラーに任せたほうがいいものと自分でやったほうがコスパに優れるものがある。例えばオイル交換などは、意外とディーラーやショップに任せたほうがコスパが高いと感じるものも……。
文:山口卓也/写真:写真AC
【画像ギャラリー】出費を抑えるコスパ最強セルフメンテ(8枚)画像ギャラリーオイル交換は危険度が高いわりにコスパが低い!
クルマのDIY項目の中で、ワイパーゴムやエアコンフィルター交換などができるようになると、「次はエンジンオイル交換!」と思う人は多いだろう。
クルマの走行距離にもよるが、軽自動車のターボエンジン車などではオイル交換スパンが3000〜5000kmというものもある。そうなると1年に数回交換しなければならない人もいて、そのたびにディーラーやプロショップにクルマを持ち込むのは面倒。
よって、エンジンオイルを「ペール缶(標準は20L)などで買って自分でやれば安い!」と思う人はいる。
しかし、例えば「下抜き」の場合はクルマを持ち上げるジャッキや、クルマを上げた状態を保つためのウマ(リジッドジャッキ)、ドレンボルトを回すレンチ、締め付け時に使うトルクレンチ、さらには廃油処理のための廃油パックなどは確実に必要なうえ、使い切らなかったオイルの保管、地域の廃棄ルールに沿って廃油を捨てる必要がある……など、揃えるものに意外とお金がかかり、場所や時間を割く必要も出てくる。
対してディーラーやプロショップ、ガソリンスタンドなどで行われる「オイル交換サービス」や「ボトルキープ」などのシステムを利用すると、そういった手間や出費から解放され、交換作業も30分〜1時間程度、価格も数千円程度と「コスパが高い!」と感じてしまう。
しかも、「ドレンボルトのネジを締めすぎてネジ山をねじ切る」「ジャッキアップが確実に行われなくてクルマが落ちる→自身が挟まれる」などのトラブルや大事故の可能性だってあるのがDIYでのオイル交換。
よってジャッキアップが必要なDIYによるオイル交換は、すでに工具をある程度持っている人やオイル交換以外のメンテ(夏タイヤ⇔冬タイヤへの交換)なども行いたいという人以外はあまりお薦めできるDIYメンテではない。
「それでも行いたい!」という人は、自身のクルマが「上抜き」できる車種であれば、上抜き法によるエンジンオイル交換を検討すべき。これならドレンボルトに触る必要はないし、ジャッキアップの必要もないからだ。
手順と注意点をしっかり押さえれば初心者でも可能なDIYメンテ
「簡単な工具セットくらいはあり、自身でもDIYメンテを行ってみたい!」と思う人にお薦めなのは次の2項目だろう。
⚫︎バッテリー交換
ディーラーにお願いすると意外と高価なのがバッテリー交換。作業自体の難易度は低いが、ディーラーで扱うバッテリーは純正部品。アイドリングストップ車やHVなどのバッテリーは本体だけで3〜5万円程度。これに工賃も加わり3.5〜7万円ほどにもなる。
対して、自身で適合するバッテリーをネット販売などで購入し、簡単な工具セット内の工具で交換すれば大体3万円以内で完了。
ただし、注意点もいくつかある。
1.適合するバッテリー品番を確認してから購入
特に品番の末尾RとLを間違えると、多くの場合はバッテリーケーブル長が足りなくて装着不可。
2.メモリーバックアップ機器を揃える
交換後のナビや時計などのメモリー消失を防ぐために、2000〜3000円程度で購入可能な「メモリーバックアップ機器」を用意しておく。
これがなくともバッテリー交換はできるが、交換後にナビや時計、なかにはコンピュータのリセット作業(ものによってはディーラーへ駆け込む必要あり)を行う必要が出てくる。
3.端子からケーブルを外す、取り付ける順序を守る
「ケーブルを外す場合はマイナス端子から、取り付ける場合はプラス端子から」を必ず守ること。
例えばプラス端子から外し、その時に工具が車体の金属部分に触れるとショートする。ショートした場合は激しい火花が飛んだりヒューズが飛ぶなどが起こって非常に危険。
外したプラス側ケーブルを軍手などで包んだり、絶縁テープで保護して作業するといい。
4.バッテリーは想像よりもずっと重い
バッテリーはかなり重く、バッテリーの搭載位置によってはクルマのどこかにいったん置いてから取り外す必要があるかもしれない。それがボディ上だと……。
よって、万が一を考えて、いったん置く場所を見極めてから作業開始。もしそこがボディ端であるなら、厚手のタオルなどをテープで固定しておき、傷付きを防止。
使用済みバッテリーはカー用品店やガソリンスタンドなどで引き取ってもらえる(無料〜有料)場合がほとんど。もしくは専門の買い取り業者もあるので、バッテリー交換前に使用済みバッテリーの廃棄法はチェックしておきたい。
バッテリー交換の作業自体は難しくないが、HVの駆動用バッテリーなどの特殊なものは高電圧を発生させるので、万が一を考えてディーラーに任せるのが安全!
⚫︎スパークプラグ交換
通常、3気筒なら3本、4気筒なら4本のプラグとそのプラグ・車種に合ったプラグレンチ、そこにアクセスするための簡単な工具セットさえあればプラグ交換は可能。
ディーラーに頼むと純正プラグは1本3000〜4000円(さらに高価な場合も)、これに工賃が加算されて1〜4万円程度になる。
適合するプラグレンチの購入に2000円程度はかかるが、2回目以降はネット購入のプラグ代2000円以内(通常品)×気筒数ぶんで交換可能。
ただし、注意点もいくつかある。
1.愛車がジャッキアップなしで交換可能かを事前にチェック!
ロータリーエンジン車や水平対向エンジン車は、ジャッキアップしてからプラグ交換をしたほうが確実で早い場合もある。
2.プラグの種類に合うプラグレンチを用意
プラグの種類はさまざま。自身の愛車に使われているプラグ品番と本数の確認と同時に、適合するプラグレンチを用意。
3.必ずエンジンが冷えている時に作業
エンジン停止後かなり時間が経っていても、取り外したプラグや周辺機器は手で触れないほど熱くなっている場合が多く火傷の可能性大。必ずエンジンが確実に冷えている時に作業開始!
4.プラグホール内にゴミや砂などがある場合は必ず取り除く
プラグホール内はだいたい見えにくいもの。ここにゴミや砂がある状態でプラグを外すと、ゴミや砂がエンジン内部に落ち、エンジン内部を損傷させる原因になる。エアダスターなどでプラグホール部をよく吹き、ゴミや砂などを確実に吹き飛ばしてからプラグを外すこと。
5.プラグはまっすぐ入れ、ラチェットレンチなどは締め込み最終段階で使用
可能ならプラグは手で締め込み、奥まっていて指が届かない場合はレンチのエクステンションバー(延長バー)などを使って指先で回してまっすぐプラグをねじ込む。
まっすぐねじ込まれていることを確認し、プラグが取り付け部に当たったことを確認してからラチェットレンチやトルクレンチなどを利用して、締め付けトルクや規定回転角まで締め込むこと。
作業自体は難しくないが、日産・セレナやトヨタ・アルファードなどのミニバン系は補機類を先に取り外す必要があるものも多く、ある程度作業が進んでから「詰む」場合もあるので下調べは万全に。
また、1気筒あたり2本のプラグを使う車種は国産車にもあるので、あらかじめプラグ本数の確認も重要!
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