2026年10月31日、神奈川県の大磯プリンスホテル駐車場でオーテック里帰りミーティング(正式名称:AOG湘南ミーティング2026)が開催された。当日は総勢384名/610台の参加者がいたが、気になるモデルも展示されていたぞ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:小林岳夫
【画像ギャラリー】超絶希少車が一気に集結!! ファンに愛されるブランドの真価とは(10枚)画像ギャラリーオーナーが集う年に1回の愛車天国
オーテックといえば「スカイラインの父」である故・櫻井眞一郎さんが初代社長を務めた、特装車やカスタマイズカーを生み出す「オーテックジャパン」という会社をイメージするだろう。
オーテック・ザガート・ステルビオなど伝説の車両を生み出したオーテックだが、2022年にニスモと合併。日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)として新たな道を歩み始めている。
そんなオーテックは特装車のみならず、日産車をベースにしたカスタマイズカーを生み出してきた。例を挙げればキリがないが、有名どころでいえばR33の4ドアGT-Rなどだろう。4ドアセダンをベースにRB26DETTを搭載したと思っている人も多いが、実は2ドアの純然たるR33スカイラインGT-Rをベースに4ドア化している。
リアシートの作り込みなども当然ながらワンオフであり、ハコスカGT-Rを彷彿とさせる4ドアボディのGT-Rは多くのファンの心を掴んだ。そんなGT-Rをはじめオーテックの職人魂を宿した車両たちが一堂に介し、オーナーの談義をしている姿を見るのはとてもホカホカするのだ。
今回は日産自動車大学校も参加し、GT300でチャンピオンシップ争いをしているリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rを展示。エンジン始動でこれまた日産ファン大歓喜!!!! こういうほっこりイベント最高ですね。
福祉車両を手掛けるオーテックの職人魂
イベントではオーテックの手掛ける日産車たちも展示された。エルグランドVIPやキックス ロッククリークなど注目モデルが目白押しで、来場者の目も一層キラキラしていた。
そのなかで編集部が注目したのがこちらのルークス。一見すると何ら変哲のないルークスだが、実はこれ福祉車両なのだ。長年取材をしていると気づくのだが、福祉車両には欠かせない絶対条件がある。それが「福祉車両らしくない」ということ。
福祉車両を使うユーザーにとって、一般的な車両と大きく外観が異なる車両に乗るのは心理的な障壁となるケースが多いのだ。これは当事者の気持ちになればわかることだが、現実的には大掛かりな改造が必要なこともあり車両の制作が難しいことも事実。
今回展示されたルークスは助手席スライドアップシート仕様。ぱっと見はルークスなのだが、助手席を開けるとスライドするシートが出てくる。しかもカク付きがなくスムーズな昇降はかなりのもの。対荷重100kgだから大柄な男性でも安心だし、シートがチルトして回転する機構は決して簡単な設計ではない。チェーン駆動であそこまでの滑らかな挙動を生むのは長年の知識の確立と、揺るがないクラフトマンシップの成果だ。
このようなクルマを見るといつもオーテックでキャリア後半を過ごした櫻井眞一郎さんのことを思い出す。櫻井さんは幼少期の病気療養体験から、自動車は常にユーザーフレンドリーであるべきという設計思想を確立した。それがスカイラインに繋がり、後輩エンジニアたちに叩き込んだクルマ作りの基礎だ。
もし櫻井さんが天国から見ていたら、このルークスにも太鼓判を与えてくれるだろう。言葉を選ばずにいうと日産車のひとつのバリエーションだけを作っていると思われがちなNMCだが、この週末でどこか忘れていたオーテックの精神に心から触れられたと実感した。
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