コロナ禍の影響で、2020年前半のモーターショーイベントは、軒並み中止となってしまった。
しかし、一部の自動車メーカーでは、オンラインのモーターショーに切り替えるなど、各自動車メーカーとも工夫を凝らし始めている。発表される形式はどうであれ、モーターショーには我ら自動車ファンをワクワクさせてくれる「コンセプトカー」の存在は外せない。
コンセプトカーといえば、2019年の東京モーターショーで日産が発表した「アリア」が、2020年7月15日にワールドプレミアされる予定だ。多くの先進技術が搭載され、高級感あふれる美しいデザインのアリアコンセプトが市販化でどうなるのかは、非常に楽しみだ。
日産にはほかにも、デザインが美しいコンセプトSUVが多くある。本記事では、「日産が過去に発表したSUVのコンセプトカー」に注目し、振り返ってみよう。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】近日ワールドプレミア! アリアコンセプトの全貌を写真でチェック!
IMx KURO
2018年3月のジュネーブモーターショーで発表されたのがこの「IMx KURO」だ。その半年前にあった2017年10月の東京モーターショーにて世界初公開したコンセプトカー「IMx」ベースとし、「黒」をテーマに、より力強く、タフで圧倒的な存在感を与えるよう、デザインが一新された。
黒のトリムとホイール、深みのある「ダークスモーキーグレー」のボディカラー、メッシュタイプだったグリルもソリッドなデザインに変更している。インテリアも、新しいEV専用プラットフォームの高効率パッケージによって、段差の無いフラットなフロアと、今までにない開放的な広いキャビンスペースを実現した。
伝統的な日本家屋の空間構成に通じる、開放的な建物の中のような雰囲気のインテリアには、パノラミックディスプレイによって車外の映像が映し出され、また、木目調のインストルメントパネルやドアトリムの中には、障子のように外の気配をそれとなく感じることができるディスプレイが組み込まれている。
完全に、外側を移すのではなく、障子越しのようにうっすらと外の風景を映すところは、日本人ならではの感性といえるだろう。
ちなみにパワートレインには、高出力モーター2基を前後に搭載したツインモーター4WDを採用している。いま思えば、「アリア」のキーとなるコンポーネンツそのままの内容だ。
「プロパイロット」をさらに進化させた完全自動運転「プロパイロットドライブモード」を選択すれば、ステアリングが格納され、シートは深くリクライニングし、乗員全員がリラックスしたまま移動するクルマへと変わる。
また、マニュアル操作時には、脳波測定による運転支援技術「Brain to Vehicle(B2V)」によって、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応遅れをカバーし、ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートするという。
「本当にできるのか?」という疑問も浮かぶが、コンセプトカーだからこその夢を見せてくれた一台だ。
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