今や貴重となった和製ホットハッチ「スズキ・スイフトスポーツ」。今年5月に改良を受けたばかりだが、その裏で密かに新たなスイフトスポーツが生まれていた!?
それが海外向けの改良型モデルである「スイフトスポーツ・ハイブリッド」だ。ハイブリッド化されたスイフトスポーツとは、いったいどんな仕様? 日本仕様との性能差は? 新バージョンの秘密に迫った。
文:大音安弘
写真:SUZUKI
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スイフトスポーツが48Vハイブリッド化
新仕様となるスイフトスポーツ・ハイブリッドは、2020年5月に欧州で発売されたばかりのスズキ初のマイルドハイブリッドのホットハッチだ。
ビジュアル面は、日本のスイフトスポーツと同じだが、6速MTのみという点も違いのひとつ。この辺りは、今もMT派が主流の欧州らしいところ。ご存じの通り、欧州導入地域によりステアリング位置が異なるため、左右共に存在している。
注目のパワーユニットは、1.4L直列4気筒DOHCターボエンジンである点は同様だが、日本仕様のK14C型に改良を加えたK14D型を搭載。
このエンジンには、リチウムイオン電池とISG(インテグレート・スターター・ジェネレーター)、48V-12Vコンバーターで構成される48Vハイブリッドシステムが組み合わされている。
もちろん、エンジン自体にも改良が施されており、圧縮比の向上や電動吸気VVT(=可変バルブタイミング機構)、EGR(排気ガス再循環機構)を採用することで、燃焼効率を高めているという。
注目のマイルドハイブリッド仕様のスペックは、最高出力129ps(95kW)/5500rpm、最大トルク235Nm/2000~3000rpmを発揮。追加されるIGS(※モーター)の最高出力13ps(10kW)を発生し、モーターアシストを行う。
これに対して、日本の標準仕様は、最高出力140ps(103kW)/5500rpm、最大トルク230Nm/2500~3500rpmと、エンジン性能同士の比較では、スペックでは勝っている形だ。
モーターは日本仕様ハイブリッドから大幅出力アップ!?
そのわずかな性能差を埋めるのが、ISGの役目ということなのだろう。
その働きは、日本市場にも投入されるスイフト・ハイブリッド(マイルドハイブリッド仕様)と同様に、アイドリングストップからのスムーズな再始動に加え、発進及び加速時のモーターによるアシストや走行中のエネルギー回生などを行うもの。
だが、欧州仕様のカタログを見ていると、どうもスポーツモデルであり、MTのみとなるスイスポハイブリッド専用チューニングが加えられているようで、モーターアシストによる加速応答やターボレスポンスの向上にも、一役買っているようなのだ。
そもそもISGの性能も、スイフトマイルドハイブリッドが3.1ps(2.3kW)に対して、4倍以上のパワーが与えられていることにある。
ただ、マイルドハイブリッド化による重量増もあり、乾燥重量は1025kgと公表されている。従来型の970kgと比較すると55kgもの重量差があるのは、ホットハッチとしては気になるところだ。
もちろん、これにはハイブリッド化以外の装備追加によるものも含まれるようではあるが……。ちなみに、日本仕様のハイブリッドRSとRSの重量差は、10kgに留められている。
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