スイフトスポーツ“ハイブリッド化”の目的は?
スイフトスポーツのマイルドハイブリッド化の目的は、もちろん、環境対策だ。CO2削減のために、マイルドハイブリッドやアイドリングストップの追加だけでなく、エンジンの改良やチューニングの変更も実施している。
その結果、従来型に対して、燃費消費率が16%、CO2排出量が15%削減されたという(※NDECでの値)。また、最大トルク発生回転数も、2000rpmからに引き下げることで、より低回転域から力強い加速が得られるようにしている。
欧州では「CAFE規制」の導入により、各社のモデルライン全体でのCO2排出量削減が課題となっている。各社に定められたCO2排出量の基準を超えたぶんは、罰金が科されるのはご存じの通り。そのため、彼の地では、身近なスポーツ&ホットハッチは、絶滅の危機に瀕している。
そこでスイフトスポーツは、ハイブリッド化などの新技術の投入で、その楽しみを欧州ファンに届け続けるために努力しているわけだ。
また1.4Lターボエンジンは、ビターラなどの他のスズキ車にも搭載されるが、こちらもマイルドハイブリッドへと変更されている。
全て日本製の“スイスポHV” それでも国内導入はない?
スズキの世界戦略車のひとつであるスイフトは、世界各地でも生産されているが、スイフトスポーツに関しては、全てが日本製で、静岡県牧之原市の相良工場で製造されている。
投入地域は、日本、欧州、中南米、大洋州などをメインに、少数ではあるが、アジア、アフリカ、中近東にも輸出されているという。
スズキによると、現時点で日本に関しては、スイフトスポーツをマイルドハイブリッド化する予定はないとのこと。また、海外も欧州以外の地域についても、現時点での計画はないそうだ。
ターボエンジン+MT+マイルドハイブリッドの走りも少し気になるが、日本では当面、ピュアなスイスポが楽しめるということのようだ。
欧州での価格は、イタリアで2万3850ユーロ(VAT込※付加価値税)で、約289万円と思ったよりも高価。日本とおなじ右ハンドルの英国でも同等なので、日本の感覚だとアバルト595を購入するような感覚なのかもしれない。
(編注:日本仕様スイフトスポーツ/6MT車の価格は201万7400円)
この価格のためか、イタリア仕様では、2トーンルーフ仕様を含め、全13色が展開される。モノトーンも2トーンも日本よりも多くの色が選べるのだ。この点は、ちょっとうらやましい。
スイフトスポーツがSUVなどで活躍する高性能パワートレインを搭載する恩恵でもあるが、ここまでの改良を加えても欧州投入で展開が続けられるというのは、ファンがいる証拠ともいえる。
スイスポは、我々が世界に誇れるMADE IN JAPANの1台なのだ。
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