ハイブリッド車が爆発的な人気を得てからも、やっぱり「ガソリンエンジン車に比べて、EVやハイブリッドって走りがつまらないよね」という見方が根強く残っている。
そんななかドイツは2030年までに、フランスでは2040年までに内燃機関の販売を禁止する方針を決定。
存在感が高まっていくEVは車好きにとってつまらない存在なのか? 自身もアウトランダーPHEVを所有し、日産リーフでラリーに出場するなどEVに造詣が深い国沢光宏氏は2つの魅力をあげる。
文:国沢光宏/写真:編集部
ベストカー2017年9月26日号
モーターが持つガソリンエンジンにはない2つの魅力
考えてみたら最近“モーターもの”ばかり乗っている。毎日の相棒はアウトランダーPHEVだし、私にとってのスポーツカーがMIRAI。そしてリーフのラリー車まであります。
2040年を先取りしている……? なぜこんな状況かといえば、話は簡単。初代プリウスでモーターの面白さに目覚めたからにほかならない。2つの点で「こらすげぇや!」だった。
まず「スムーズさ」。昔から理想のエンジンの形容詞に「電気モーターのような……」というフレーズがある。
プリウスに乗ってアクセル踏むと、本物のモーター。こんな高級なパワーユニットはなし。ただ、プリウスの場合、少し走るとエンジンかかってガックリします。
そして、「アクセルレスポンスのよさ」にもハマりましたね。アクセル踏むや瞬時に反応する。そらそうだ。電気のレスポンスたるや地球を7回り半する秒速30万km。アクセル踏むと空気量増え、それに見合ったガソリン吹いてパワー出すピストンエンジンと根本的に違う。
モーターの楽しさと可能性にハマってプリウスを4台乗り継いだほど。そこに登場してきたのがEVのリーフだった。もはやプリウスの課題をすべて吹き飛ばしてくれたのである。
いつまで経ってもヤボなエンジンがかからず、アクセルレスポンスのよさだってプリウスを相手にしない。即座に購入したのは言うまでもなかろう。EV、そもそも楽しいし速いし気持ちいい、というのが私の基本的なスタンスです。
競技の世界で実感したEVの面白さ
モーターへの期待はとまらず、ついにリーフをラリー車に仕立て、全日本ラリーに出てしまったほど。
さすがにキツい登りは動力性能で厳しく(ライバルと出力同等で500kg程度重い)、長い競技区間だと電気足りず満足にアクセル踏めないなど厳しい戦いになったものの、足回りの改良を進め低重心のメリットを引き出し、充電タイミングを工夫したりすることで最終戦はクラス優勝できた。
狭い林道のアクセルレンポンス&楽しさときたら、もはやガソリン車じゃ味わえないほど。
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