国産初の量産プラグインハイブリッドカー、「プリウスPHV(先代)」のデビューから、早9年。
その後、2013年に、三菱アウトランダーPHEVが登場するものの、後追いするものはおらず、プラグインハイブリッド車は、長らくこの2車種のみだった。
しかし、今年2020年6月、「RAV4 PHV」が登場するや否や、注文が殺到。
注文停止となるほどのバカ売れぶりを見せると、三菱も負けじと、年内に「エクリプスクロス」に、ディーゼルモデルに代えてプラグインハイブリッドモデルを投入する予定と、いまプラグインハイブリッド車が賑わいを見せ始めている。
これまで、日本ではいまいち注目が集まらず、日陰の存在だったプラグインハイブリッドモデル。果たして、プラグインハイブリッドは、ハイブリッドから主役の座を奪えるのだろうか。
文/吉川賢一、写真/TOYOTA、MITSUBISHI、HONDA、LAND ROVER JAGUAR、BMW、MINI、MERCEDES BENZ、PORSCHE、VOLVO、JEEP、平野学、池之平昌信
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環境性能に加えて、加速性能も魅力
プラグインハイブリッドのメリットとして挙げられるのは、まずは環境性能だろう。ガソリン車やハイブリッド車と比べてCO2などの排気ガス排出量を減らすことができる。
そして、2つめは、ランニングコストの安さ(低燃費)だ。ハイブリッド車よりもガソリン消費量が少なくてすむ。
さらに、加速性能や、走りの質感の高さも、プラグインハイブリッド車ならではの魅力だ。RAV4 PHVに試乗させていただいたが、軽くアクセルペダルを踏みこんだだけで、一切の遅れがなく加速Gが立ち上がり、クルマが前へ「ドンッ」と押し出される、圧倒的な加速力を感じた。
そもそもRAV4は、ハイブリッド車でも「踏めば速い」という印象はあったが、PHVはその比ではなく、加速Gの鋭さを楽しみたくて、アクセルペダルを踏みたくなってしまうほどだ。
EV走行がメインの一般道では、車内の静かさと振動の少なさによって、極上の移動空間を味わうことができた。日常使用の範囲であれば、ガソリンを一滴も使わずに、EV走行のみで事足りるのも、経済的だ。
環境保全に関心のある方や、電動による途切れの無い力強い加速を楽しみたい方にとって、プラグインハイブリッド車は、大変魅力的なクルマだ。
だがやはり、デメリットもある。「車両価格」と「車重」、そして「インフラ」だ。
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