世界の主要なモーターショーは、新型車の発表や将来発売されるクルマのヒントとなるコンセプトカーが出展されるなど、きわめて重要なイベントだ。
しかし新型コロナウイルス感染症の影響により2020年の主要なモーターショーは中止に追い込まれている。欧州ではパリサロン、北米ではデトロイトショーやニューヨークモーターショーが中止になった。
日本では東京オートサロン2020が開催されたが、二輪車の祭典東京モーターサイクルショーは2020年に加えて2021年も中止となった。
2021年開催の東京モーターショーに関してはまだ正式な発表はないものの、自工会の豊田章男会長はオンラインでの開催も検討していると語った。
今回は北米とアジアのモーターショーの開催状況とその特色をご紹介しよう!
文・写真/小林敦志
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■アメリカ シカゴショー以外のメジャーショーは2020年の開催なし
アメリカでは年間を通じて、各州すべてでオートショーが開催されており、毎年9月末から10月初旬の間にカリフォルニア州アナハイムコンベンションセンターで開催される、“オレンジカウンティ国際オートショー”が、オートショーシーズンの開幕を飾るものとなっている。
各州で開催されるオートショーのなかで、国際的認知も高いメジャーオートショーは、北米国際オートショー(デトロイトショー)、ニューヨーク国際オートショー、ロサンゼルスオートショー、シカゴオートショーを挙げることができるだろう。
毎年2月開催のシカゴオートショーは2020年に開催できたが、そのほかのデトロイト、ニューヨーク、ロサンゼルスの各オートショーは2020年については新型コロナウイルス感染拡大により開催されなかった。
◆2021年の主要な北米オートショー
デトロイトショー 2021年9月24日~10月9日
ニューヨークショー 2021年8月20日~29日
ロサンゼルスショー 2021年5月21日~31日
シカゴショー 2021年2月13日~21日
デトロイトショーはここ数年情報発信力の弱体化が叫ばれていた。開催地であるデトロイト周辺には、もともと大きな都市もないし富裕層も少ないなどということもあり、出展しないブランドが続出していたことがその背景にある。
そのため2020年にはショー会場であるコボセンターだけでなく、デトロイト中心市街地全体をショー会場に見立て、イベント色の強いショーに生まれ変わる予定だったが開催がキャンセルされた。
デトロイトショーに代わって注目されてきたのがニューヨークショーとなる。ウォール街の投資家へ向けた情報発信ができることもあり、スバルなどはほぼ毎年新型車のワールドデビューを行っている。マンハッタン島にあるジャビッツセンターで開催され、商用車の展示スペースが充実しているのも特徴的。
ロサンゼルスショーは、アジアが近いということもあるのか、日本や韓国などのアジア系ブランドの存在感が比較的強いのが特徴のひとつ。会場はダウンタウンにあるLAコンベンションセンターだが、数年前には会場変更の話も出ていた。
シカゴショーはアメリカで開催されるオートショーでは、最大の集客を誇っている。中西部開催のショーらしく、ピックアップトラックの展示が目立つのが印象的。会場のマコーミックプレイスはシカゴの中心市街地に近い場所にある。
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