SUVブームとなってかなりの時間が経つが、その影響を最も受けているのが、かつてのクルマの代名詞でもあるセダンだろう。
特に打撃を食らっているのは、プレミオ/アリオンなどが属する2Lクラスのファミリーセダンで、ラインナップは激減していて、プレミオ/アリオンが2021年3月をもって生産終了となることがトヨタのホームページで正式にアナウンスされた。
日本のセダンでは独り勝ち状態にあったクラウンの2021年消滅説が出たり、セダン受難を超えた衝撃を与えている。
世界的なSUVブームと言われる中、世界最大のセダンマーケットでセダン王国と言われたアメリカの最新セダン事情について考察していく。
文/桃田健史、写真/TOYOTA、NISSAN、HONDA、FCA、FORD、GM、RAM、LINCOLN、BMW、PORSCHE、ベストカー編集部
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クラウンがSUVになるという噂の衝撃
まさか「クラウン」がなくなるのか!?
中京地域発の経済ニュースを発端として、新聞各社の後追い記事が日本中を駆け巡った。
クラウン後継車がSUVになるという”噂”である。
近年、自動車メディアでもセダン人気低迷を報じることが増えたとはいえ、クラウンの月販台数は2000台程度を維持してきた。日産「フーガ」、「シーマ」やホンダ「レジェンド」など、月販二桁が当たり前という状況とは違う。
トヨタ販売店としても、2020年5月から全車種全店舗併売体制と移行する中、客単価が高く販売も安定した商材であるクラウンが大きくイメージチェンジという”噂の真相”について、とても気になるところだ。
今回の噂で、日本人にとっても”他人事ではなく私事”となった「セダンからSUVへのシフト」。その震源地は、アメリカである。
アメリカのセダン事情について考察していく。
まずはアメリカにおける自動車モデルの変遷を振り返ってみよう。
筆者は1980年代以降、アメリカ各地で生活してきた。そうした実体験と、全米各地の自動車博物館・資料館を巡った経験を踏まえて、これからの先の話を進めたい。
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