セダンではトヨタカムリがトップセラー
直近での2019年全米自動車販売実績をモデル別で見ると、トップはフォード「Fシリーズ」(90万台)、以下、ラムトラックス(63万台)、GMシボレー「シルバラード」(57万台)と、フルサイズピックアップトラックが上位を占める。
次いで、4位からはトヨタ「RAV4」 (49万台)、ホンダ「CR-V」(38万台)、日産「ローグ」(35万台)、GMシボレー「イクイノックス」(34万台)と、SUVが続く。
このセグメントは長年、コンパクトSUVと呼ばれてきたが、プレミアムSUVからのダウンサイジングを受けてボディサイズの大型化が目立つ。
さらに8位から、トヨタ「カムリ」(34万台)、ホンダ「シビック」(33万台)、トヨタ「カローラ」(28万台)と続くように、アメリカ市場全体でセダンからSUVへ大きくシフトしていることが一目瞭然だ。
ついに市場の7割を占める存在に
また、アメリカ自動車業界では、ピックアップトラックとSUVを合わせて「ライトトラック」として分類している。中大型の商用トラックに比べて、ライト(小型軽量)というイメージである。
2019年実績では、全体需要1700万台のうち、ライトトラックが72%を占める1220万台に対して、セダンなどパッセンジャーカーは28%の480万台にとどまる。
今後も、アメリカでのSUVシフトは続くと見る業界関係者が多く、結果的にセダンのモデル廃止を決めるメーカーがさらに増えるだろう。
そうしたなかフォードは、長年に渡りアメリカ高級セダンのベンチマークであったリンカーン「コンチネンタル」、さらに2000年代に次世代セダンとして登場した「MKZ」を2020年7月をもって生産中止とした。両モデルの後継車に関する発表はなく、事実上のセダンからの撤退といえる。
セダン王国アメリカはいま、大きな時代の変わり目に立っている。
まとめ
以上のようなアメリカで起こっているSUVシフトを、日本ではさほど強く感じてこなかった。なぜならば、市場の主体がミニバンと軽自動車という世界では稀な商品構成であり、
そもそも2000年代以降はセダンの存在感が薄かったからだ。
それが、ここへきて”クラウン後継のSUV化の噂”によって、アメリカで起こっている社会現象が日本人にとっての”私事”になったのだと思う。
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