憧れのBMW「M」 中古ならいけるか大検証!! 庶民でも手が届…く? ギリ無理…??

憧れのBMW「M」 中古ならいけるか大検証!! 庶民でも手が届…く? ギリ無理…??

 M2やM3、M5といったBMWのスポーツモデル、Mモデルはクルマ好き、BMWファンにとっては垂涎のモデルだ。

 近年ではバリエーションが増えてきており、Mスポーツ、M240i、M2など、3つのMが存在するため、どこがどう違うのか、とまどう人もいるかもしれない。

 そこで改めてBMW Mモデルとはどのようなモデルなのか、歴史や概要を紹介するとともに、新車ではなかなか買えない価格帯のため、比較的手頃な価格で狙えるBMW Mモデルの中古車について、輸入車に詳しいジャーナリストの伊達軍曹が徹底解説する。


文/伊達軍曹
写真/BMW

【画像ギャラリー】どのモデルがお手頃? 歴代M3を写真でチェック!


そもそもMモデルとはどんなモデルなのか?

3色のトリコロールカラーが印象的なMのロゴ。ブルーはBMW、レッドはモータースポーツ、そしてパープルはその両者の比類なき融合を表している。Mロゴはジウジアーロ率いるイタルデザインによって生み出された
3色のトリコロールカラーが印象的なMのロゴ。ブルーはBMW、レッドはモータースポーツ、そしてパープルはその両者の比類なき融合を表している。Mロゴはジウジアーロ率いるイタルデザインによって生み出された

 なんだかんだ言いいつつも「憧れの対象」ではある場合が多い、BMWの各モデル。

 もちろんBMWのことなど屁とも思っていない各位もいらっしゃるだろうが、そんな各位でも、BMWの「Mモデル」にだけは一目置いているに違いない。

 そもそもスポーティなBMW各車を「さらなるスポーツモデル」へと仕立てたMモデルとは、はたしてどんなモノなのか?

 そしてそれを手掛けているドイツ・ミュンヘンの「BMW M GmbH(BMW M社)」とは、いったいどんな会社なのか? 

 比較的手頃な予算で狙えるモデルの中古車購入ガイドとともに、「BMW M」について研究していきたい。

 現在、Mモデルの開発やモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などを行っているBMW M GmbH(BMW M社)がBMWの子会社として誕生したのは1972年5月1日のこと。

 発足当時はBMW Motorsport GmbH(BMWモータースポーツ社)という社名だった。

 当時モータースポーツの世界で連戦連勝を重ねていたBMWだったが、自社だけではモータースポーツ関連事業や作業の一部しかカバーできず、多くの部分をチューニングメーカーに頼るという状況であった。

 そのため、モータースポーツに集中的に取り組む目的で新たに設立されたのが「BMWモータースポーツ社」だった。

 当初は35人のスペシャリストチームだった同社を率いたのは、かつてポルシェのワークスドライバーだったヨッヘン・ニーアパッシュ。

 彼がマネージングしたBMWモータースポーツ社は、BMW3.0CSLで参戦したツーリングカーレースやF2などを席巻した。

 1970年代後半まで、BMWモータースポーツ社はレーシングカーのみを製造していたのだ。

 しかし「サーキット以外でもM Powerを堪能したい!」というユーザーの声に応えるため、まずは1974年、BMWモータースポーツ社のエンジニアは初代5シリーズのサスペンションとブレーキに関与。

 そして1978年にはMのロゴを付けた最初の車両である「BMW M1」でセンセーションを巻き起こし、1980年には、初代5シリーズに635CSiの2バルブ6気筒エンジンを搭載した「M535i」を開発・製造した。

1973~1979年にヨーロッパ選手権で6回優勝し、10年近くにわたって世界のツーリングカーシーンを席捲した3.0CSL。レース仕様のベース車両は200psを発生する3003cc、直6
1973~1979年にヨーロッパ選手権で6回優勝し、10年近くにわたって世界のツーリングカーシーンを席捲した3.0CSL。レース仕様のベース車両は200psを発生する3003cc、直6
1978年に登場したM1。ミドに搭載されたM88型3453cc、直6DOHCエンジンは277psの公道仕様、470psのグループ4仕様、そして850psを発生するKKK製ターボチャージャーを装着した3153ccターボのグループ5仕様が用意された
1978年に登場したM1。ミドに搭載されたM88型3453cc、直6DOHCエンジンは277psの公道仕様、470psのグループ4仕様、そして850psを発生するKKK製ターボチャージャーを装着した3153ccターボのグループ5仕様が用意された
1984年に登場したM635CSiは286psを発生するM1譲りの高回転型の4バルブ直6、3.5Lエンジンを搭載
1984年に登場したM635CSiは286psを発生するM1譲りの高回転型の4バルブ直6、3.5Lエンジンを搭載
1980年、1.5L量産型4気筒エンジンブロックから驚異的な800psのF1ターボエンジンを作り上げた。1982年からはブラバムが初のBMWエンジンでグランプリに参戦、BMWは1987年までにグランプリ優勝を9回果たした
1980年、1.5L量産型4気筒エンジンブロックから驚異的な800psのF1ターボエンジンを作り上げた。1982年からはブラバムが初のBMWエンジンでグランプリに参戦、BMWは1987年までにグランプリ優勝を9回果たした

 その後、Mモータースポーツ社はF1用ターボエンジンの開発と供給を行い、1984年には、M1の高回転型4バルブ直6エンジンを「M635CSiクーペ」と「M5」搭載。特に、プロイセン通りにあるワークショップで1つずつ手作業で組み立てられたM5は、瞬く間に伝説的存在となった。

 F1での活動が終了すると、BMWモータースポーツ社は新たにツーリングカーレースにエネルギーを投入するようになった。そしてその結果、1986年に伝説の初代BMW M3が誕生した。

1983年に登場した初代M3スポーツエボリューション。初代BMW M3は、2.5LのM3スポーツエボリューション600台、手作業で組み立てられたM3カブリオレ765台を含む1万7970台が販売された
1983年に登場した初代M3スポーツエボリューション。初代BMW M3は、2.5LのM3スポーツエボリューション600台、手作業で組み立てられたM3カブリオレ765台を含む1万7970台が販売された

 レースマシンとしてタイトルを総なめにした初代M3は、市販車としても予想を超える販売台数を達成。

 初代M3の市販バージョンは、2.5LのM3スポーツエボリューション 600台と、手作業で組み立てられたM3カブリオレ765台を含む計1万7970台もの台数が販売されたのだった。

 ツーリングカーレース参戦を目的としたモデルの開発は初代M3で終わったものの、その後もBMWモータースポーツ社は「2代目M3」、「2代目M5」などの超ハイパフォーマンスロードカーを続々と開発。

 そして1992年には、通常のオプション装備の範囲を超えるカスタムメイドを実現させる「BMWインディビデュアル」もBMWモータースポーツ社の担当業務となり、1993年8月1日には社名を「BMW M社」に変更。

 そして現在は冒頭で記したとおり、「BMWを超えるBMW」であるMモデル各車の開発とモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などを行っているBMW M社なのであった。

次ページは : 3つのMモデルの違いとは?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…