3つのMモデルの違いとは?
以上のような歴史を持つBMW M社が開発しているのがMモデルなわけだが、カーマニアは別として一般の方は、「ところでM3と、M340i、3シリーズの“Mスポーツ”って何が違うの?」、「M2とM240iの違いって何?」という感じで、いまひとつクリアではない方も多いのかもしれない。
そういった方のために念のためご説明すると、たとえば3シリーズの場合でいうと、BMW M3は「エンジンや足回りなどを含むほぼすべてが素の3シリーズとは完全に別モノな、M社が開発した超ハイパフォーマンスカー」。
そしてMスポーツのほうは、「Mという言葉が持つスポーティなイメージを活用した、足回りや各所のデザインなどをスポーティな方向に振ったBMWのパッケージオプション」だ。
そしてM2クーペとM240iクーペの違いは、M2クーペがM3やM4同様に「M社が開発したマシン」であるのに対し、M240iクーペのほうは「M Performance Automobiles(エム・パフォーマンス・オートモービルズ)」というラインに属する「BMW M社がBMW車のパワートレインとシャシーにチューニングを施したモデル」だ。
この「3つのM」の違いは言葉で説明するとややわかりにくいが、要するに「普通のBMWのトップレンジ」がMスポーツであり、「M社が開発した超スペシャルモデル」がM、そして「その中間ぐらいに位置するグレード」がM240i クーペなどのM Performance Automobilesであるととらえれば、わかりやすいだろう。
中古で狙うBMW Mモデル
そんなMモデルの新車価格は、最小モデルのM2クーペでも898万円~であり、M4クーペは1213万円~。M8クーペに至ってはなんと2241万円~ということで、筆者のようなド庶民が買える代物ではない。
かといって中古車も、現行世代はまだまだ十分お高いため、注目すべきは「1コ前の世代」や「現行世代の前期型」といったあたりの中古車になるはずだ。
まずは小手調べとして「最小のMモデル」であるM2クーペの中古車相場を見てみると、モデル全体としては430万~630万円といったニュアンスで、2017年途中までの前期型に絞っても430万~580万円と、けっこうお高い。……ということで、M2クーペはスルーして次の候補に行こう。
例えば、先代の4シリーズをベースとする、現行型M4クーペの中古車相場はどうなっているのか?
こちらは、モデル全体としては400万~1800万円とかなり上下に幅広いが、2015年式ぐらいまでの初期モノに絞って探せば、走行3万km台のM DCTドライブロジック車が車両500万円台半ば付近で豊富に見つかる。
「中古のM2クーペに500万円台」と言われると若干躊躇してしまうが、まだ現行型(新型は本国で発表されたがまだ日本未発売のため)であるM4クーペであれば、500万円台半ばというのは「ある意味リーズナブル」ではあるのかもしれない。
M4クーペのセダン版であるF80型M3(先代3シリーズセダンベースのMモデル)は、モデル全体の相場は500万~1200万円。
これまた注目ゾーンは「500万円台半ばぐらい」といったあたり。納得できそうな、微妙なような、得も言われぬ価格水準だと言えようか。
5シリーズをベースとする「M5」の先代モデルだとどうなのか? 2011年から2017年まで販売されたF10型M5は、最高出力560psのV8、4.4Lツインターボを搭載するラグジュアリースポーツセダン。
相手にとって不足はないというか、コンディションの良い中古車であれば、まだまだ十分魅力的であるはず。
で、そんな先代M5全体の相場は350万~610万円と、なかなか微妙なゾーン。つまり「出せないわけでもないが、先代の中古車に出すお金としてはどうなのか?」と、ついつい考えてしまいそうな相場なのだ。
とはいえ車両価格400万円前後のゾーンにまずまず好条件な物件が集中しているので、その金額を「超ハイパフォーマンスなスポーツセダンを買う値段としてはリーズナブルである」と判断できるなら、注目してみる価値はあるだろう。
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