ホンダの創立50周年記念車として1999年4月に発売された、ホンダとしては29年ぶりのFR車であるS2000。
リッターあたり125ps、9000rpmまで回る2LのVTECエンジンに誰もが驚かされたが、発売から2009年9月の販売終了までの約10年間、国内で生産された台数は、意外に少ない2万1662台だった。販売台数が少ないゆえなのか、現在S2000の中古車相場は高騰していると聞く。
はたして、今ホンダS2000は今いくらで買えるのか? 中古車相場とともに9000rpmまで回るエンジンは走行距離が延びてもちゃんと回るのか?
さらに購入時のチェックポイント、そして部品供給は大丈夫なのか、S2000を中古で購入する際の重要ポイントを専門店に直撃取材した。
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 ホンダ
【画像ギャラリー】二度とこんなクルマは出ない! 高騰中のホンダS2000 発売当初の写真をチェック!
中古車市場では後期型が600万円以上になることも
ホンダ S2000の中古車相場が高騰している。走行20万kmを大きく超えている物件でも、場合によっては車両価格は200万円以上となり、走行距離少なめの後期型であれば500万円以上、いや600万円以上となることも珍しくない。
高騰してしまった中古車相場については、今さら泣こうがわめこうが下がることは(たぶん)ないため、どうすることもできない。
相場高騰の話はいったん置いといて、問題は「これからS2000を買うならば、どんな個体を選び、どのようにメンテナンスしていけばよいのか?」ということだ。
そのあたりのリアルな情報をホンダS2000にきわめて強い専門店に尋ねてみることにしよう。
その前に、ホンダS2000というクルマについての簡単なおさらいをしておきたい。S2000は本田技研工業の創立50周年を記念して1999年4月に発売。
ホンダ車としてはS800以来29年ぶりに復活した「FRレイアウト」の2シーターオープンスポーツということになる。
多くの部品が「専用パーツ」として新たに設計され、縦置きに搭載されるエンジンはリッターあたり125psというレーシングエンジン並みの出力をマークする、専用の2L、直4DOHC VTEC「F20C」。
これは市販量産車用エンジンであるにもかかわらずレブリミットが9000rpmという、鬼のような超高回転型だった。
そしてこのエンジンを構成する各部品にも小型軽量化をしながらも強度を保つため、ほとんど「ワンオフ」ともいえる、さまざまな新技術が投入された。
当時は希少だった6速MTもS2000のために自社開発した専用品。そしてオープンカーではあるものの、S2000のボディはクローズドボディと同等以上の剛性を確保していた。
2001年9月と2003年10月のマイナーチェンジを経て、2005年11月のマイナーチェンジではF20Cエンジンの排気量を2Lから2.2Lに拡大しF22C型となった。
同時に、スロットル制御にDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用し、ギアレシオをローギアード化して加速性能の向上を図るなどの改良も行われた。
約10年間の販売台数は国内累計台数が2万1662台で、全世界では累計11万台。そして2009年8月、惜しまれながら生産終了となった。
■1999年4月~2005年11月(F20C型)2L、直4:250ps/22.2kgm
■2005年11月~2009年8月(F22C型)2.2L、直4:242ps/22.5kgm
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