2018年のジャガーI-PACE、2019年のメルセデスベンツEQCに加えて、2020年はホンダe、アウディe-tron、ポルシェタイカンと国内外の自動車メーカーから個性的な電気自動車(EV)が登場した。
そんななか、イギリスやフランスをはじめとする世界各国が2030年~2040年にかけて純エンジン車の新車販売を禁止する政策を打ち出してきており、日本政府も2030年代に純エンジン車の新車販売禁止を打ち出す方針だ。
この動きを受けて、EVの新車販売が加速していくのではないだろうか。となると、気になるのは安いといわれているEVの中古車相場の動き。
そこで、国内外のEVの中古車相場を調べるとともに、国産EVの買取価格も調べ、EVがガソリン車に比べて本当に安いのか徹底検証。
さらになぜEVは中古車になると安くなるのか、モータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/ベストカーweb編集部 日産 三菱 BMW ジャガー
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日産リーフとインプレッサスポーツの買取価格を比較
まず、調べてみたのは国産EVの買取価格だ。ここで紹介する買取価格は年間8000km以下、修復歴なしという条件をクリアしたものだ。
国産EVで最もポピュラーなのが日産リーフだ。初代は2010年、2代目となる現行型は2017年から販売されている。
ちょうど初めての車検サイクルを迎える3年落ちの2017年式のリーフの買取価格は最上級グレードのG(新車時価格369.5万円)が約158万円。そして売れ筋グレードのX(新車時価格(325.3万円)は約145万円となっている。
5年落ち、2015年式の初代リーフの買取価格はG(30kWh・新車時価格372.1万円)が約64万円、G(24kWh)が約54万円、X(30kWh)が約60万円、G(24kWh)が約49万円。
グレードによる買取価格の差が非常に小さいリーフと同じCセグメントのガソリン車、スバルインプレッサスポーツと比べてみると、2.0i-Sアイサイト2WD車(新車時価格222万円)の2017年式の買取価格は約139万円。
そして先代モデルの2.0i-Sアイサイト4WD車(新車時価格224万円)の2015年式の買取価格は79万円となっている。
リーフとインプレッサスポーツの値落ち率を比較してみると、同じ現行型の2017年式ではリーフが約57.2%、対してインプレッサスポーツは約37.3%と20%ほどEVのリーフのほうが値落ち率が大きくなっている。
そして同じ旧型となる2015年式ではリーフが約82.8%。一方のインプレッサスポーツは約64.7%と多少縮まったもののリーフのほうが値落ち率が大きい。
したがって中古車となっても人気が盛り上がらないEVは同じクラスガソリン車と比べると値落ち率が大きくなってしまうということがわかってもらえただろう。
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