国産コンパクトカーでは異例のエンジン車廃止! 日産 新型ノートはなぜe-POWERだけに?
日産の人気コンパクトカー、新型ノートが12月23日に発売される。約8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型だが、シリーズハイブリッドの「e-POWER」専売となることもトピックのひとつ。
トヨタのヤリス、ホンダのフィットなど価格競争力が求められ、法人需要もある国産コンパクトカーは、純エンジン車とハイブリッド車をともにラインナップするのが定石。そうしたなかで新型ノートがe-POWER専売に舵を切った理由とは?
文:御堀直嗣/写真:奥隅圭之
【画像ギャラリー】フルモデルチェンジしたノートの内外装とe-POWERシステムがコレだ!
■ “第二世代”e-POWER搭載で新型ノートは大きく進化した
日産ノートの新型が、シリーズハイブリッドのe-POWERのみでの販売となることについて、星野朝子副社長は「日産にはゼロエミッションをリードしていくというビジョンがある。電動化に集中する象徴であり、これを成功させ、低炭素社会に貢献していく」と、語った。
試乗した新型ノートは、第2世代のe-POWERが改良された成果を大きく実感することができ、ハイブリッド車であるにもかかわらずエンジン騒音がよく抑えられ、また出力も向上して、ECOモードでも市街地での運転では不足のない動力性能をもたらす。
この傾向は、先に発売されたSUV(スポーツ多目的車)のキックスでも体感してきたことだが、キックスはまだ第1世代の改良型であり、新型ノートの第2世代ではガソリンエンジンの冷却性能が改善され、ノッキング(異常燃焼)を抑えることで燃費が向上している。
これまで、モーター駆動のみでの走行を実現するe-POWERは、アクセルのワンペダル操作など電気自動車(EV)と同様の運転感覚を味わえる一方で、燃費はエンジンとモーターの両方で駆動するパラレル式に比べ劣る面があった。
だが、第2世代のe-POWERは、燃費性能諸元でみるかぎり、パラレル式に迫る燃費を実現しているようだ。またシリーズ式のよい点は、一時的なアクセルの余分の操作があっても、平均燃費値を大きく左右しにくいこともあり、実用燃費では高い競争力を持つのではないか。
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