日産ルークス&三菱eKクロススペース “今年の軽”は何がそんなに良いのか?

日産ルークス&三菱eKクロススペース “今年の軽”は何がそんなに良いのか?

 “今年の1台”を選ぶ「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。先日発表された2020-2021シーズンはスバル レヴォーグがイヤーカーに選出されるいっぽう、軽自動車の販売比率の高まりを受けて今期から設定された「K CAR・オブ・ザ・イヤー」は、日産「ルークス」&三菱「eKクロススペース」「eKスペース」が受賞した。

 今期の「K CAR・オブ・ザ・イヤー」は、同車のほか、スズキ「ハスラー」とダイハツ「タフト」がノミネート。

 日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021におけるノミネートの条件は、2019月11月1日から2020年10月31日までに発表または発売された軽自動車で、そこに該当する軽自動車が上記の3モデル(日産ルークス&三菱eKクロススペース/eKスペースは基本設計を共用するので1モデルとしてカウント)だったというわけだ。

 まずは、その3モデルの優れている部分や注目ポイントを車種ごとに挙げてみよう。

文/工藤貴宏
写真/SUZUKI、NISSAN、MITSUBISHI、DAIHATSU
撮影/平野学、奥隅圭之

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軽SUVのパイオニア! 新型ハスラーの美点は?

2019年12月にフルモデルチェンジした2代目ハスラー。実用性と遊び心を持ち合わせたクルマであり、初代よりも車内のゆとりがとれるようになった
2019年12月にフルモデルチェンジした2代目ハスラー。実用性と遊び心を持ち合わせたクルマであり、初代よりも車内のゆとりがとれるようになった

 ハスラーの優れているところは、実用性と遊び心のバランスだ。パッケージングが秀逸で、居住スペースは定番ハイトワゴンの「ワゴンR」とほぼ変わらない広さ。

 新型になりサイドパネルがより垂直に近づいたことで、室内は横方向のゆとりも増している。

 後席は足元がゆったりしているし、後席は左右独立リクライニング&スライドも採用で快適。流行のクロスオーバーSUVで遊び心あふれる上に、日常での実用性が高いのが魅力だ。ファミリーユーザーにもおススメできる。

 新型ハスラーはまさに正常進化であり、ジャンルを築き上げた先駆者として、さらに磨き上げてきた完成度の高さを評価しないわけにはいかない。

軽SUVに新星! ひと味違う個性で勝負した新型タフト

2020年に登場したダイハツ タフト。標準装備でガラスルーフがあり、開放感を感じられる
2020年に登場したダイハツ タフト。標準装備でガラスルーフがあり、開放感を感じられる

 タフトは、ハスラーと同じキャラクターと思われがちだが、似ているようで違う部分もある。同様なのはハイトワゴンのパッケージングをしたクロスオーバーSUVだということ。

 しかし「クルマの中心をどの席にしているか?」という部分が大きく違う。ハスラーは後席も重視しているが、タフトの後席居住性は“割り切り”だ。

 スライドがない前後固定式だから足元はハスラー(のシートを後方までスライドした状態)ほど広くないし、リクライニング機能もない。狭すぎることはないけれど、快適性をハスラー以上に高めることは狙っていないことがよくわかる。

タフトの後席居住性はあまりないと思われるが、変わりに荷室の実用性に特化している (写真:シートアレンジ(完全フラットスタイル))
タフトの後席居住性はあまりないと思われるが、変わりに荷室の実用性に特化している (写真:シートアレンジ(完全フラットスタイル))

 かわりに実現したのが、荷室の実用性。後席を倒すとダイハツの軽乗用車のなかではもっともフラットな床面となり、床面積を増やすため(後席背もたれの左右幅を広げるため)に後席ドアのアームレストまで非採用とするほどのこだわり。

 後席は人を乗せることよりも、2人で遊びに出掛ける際に畳んだ状態で荷室を広く、便利に使えるパッケージングとしているのだ。

 いっぽうで前席にはガラスルーフ(運転していても空が視界に入ってくるのが凄い!)を標準装備するなど、あくまで運転席と助手席を重視したクルマ作りとしている。

 それがハスラーとの大きな違いであり、昨今の軽自動車のなかで特徴的な個性。そして、そういった提案に新しさを感じたのも正直なところだ。

次ページは : ルークス&eKスペースは流行りの2大軽SUVより何が優れている?

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